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入管収容者死亡 再発防止へ意識改革を図れ

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 入国管理施設に収容されている外国人の生命や人権を軽視するようなことがあってはならない。政府は入管職員の意識改革を進め、再発防止に取り組むべきだ。

 名古屋市の入管施設に収容中だったスリランカ人女性が死亡した問題で、出入国在留管理庁は、施設の対応などに問題があったとする最終調査報告書を公表した。

 女性は2017年、日本語を学ぶために来日したが、日本語学校に通わなくなり、昨年8月、不法滞在状態となって収容された。今年1月から体調不良を訴え続け、3月の週末に病死した。

 報告書は、この入管施設の幹部らについて、「収容者の体調に問題意識を持って積極的に把握・対応する意識に乏しかった」と指摘している。体調が悪く、飲み物をこぼした女性をからかうような発言をした職員もいたという。

 収容者の自由を制約する入管施設には、命と健康を守る責務がある。施設側には、こうした認識が欠けていたのではないか。

 この施設では、休日は医師が不在で、容体が悪化した場合、外部の医師に相談する体制もなかった。女性は、点滴や外部の医療機関の受診を求めたが、要望は内規に反して幹部に伝えられず、組織的な対応につながらなかった。

 休日の医療体制の不備は、14年に別の施設でカメルーン人男性が死亡した際も問題視されたが、教訓は生かされなかった。対策を怠った組織の責任は重い。

 入管庁は、施設の幹部ら4人を訓告や厳重注意の処分とし、上川法相が謝罪した。難民認定の少なさなど、日本の入管行政には海外からの批判が根強い。異例の処分の背景には、信頼回復が不可欠だとの危機感があるのだろう。

 長期収容も課題だ。6か月を超える収容者が多く、3年以上のケースもある。収容中に死亡する人もおり、長期収容に抗議するハンガーストライキも起きている。

 先の国会で政府が成立を目指した入管難民法改正案は、長期収容の解消を目指すものだった。

 不法滞在の外国人は、母国に送還されるまでの間、原則として入管施設に収容される。改正案ではこれを改め、送還まで親族らの監督下で生活することを認める制度が盛り込まれていた。

 改正案は、今回の問題の真相究明を求める野党が抵抗し、採決が見送られた経緯がある。収容者の生活環境を改善するためにも、与野党は速やかに法改正に向けた議論を進めてほしい。

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2281205 0 社説 2021/08/13 05:00:00 2021/08/13 05:00:00

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