読売新聞オンライン

メニュー

ニュース

動画

写真

スポーツ

コラム・連載・解説

発言小町

漫画

教育・受験・就活

調査研究

紙面ビューアー

その他

サービス

読売新聞のメディア

購読のお申し込み

読売新聞オンラインについて

公式SNSアカウント

アンモニア発電 脱炭素の新たな主役となるか

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 水素とともに、燃やしても二酸化炭素を出さないアンモニアが脱炭素の新たな「切り札」として注目されている。官民挙げて、技術的課題の克服に努めてもらいたい。

 政府は、今年7月にまとめたエネルギー基本計画案の電源構成に、水素やアンモニアによる発電を初めて盛り込んだ。

 既存の石炭火力発電所で、気化したアンモニアを粉状の石炭に混ぜて燃やす「混焼」により電気を作る。アンモニアの分だけ二酸化炭素の排出を減らせるという。

 水素と窒素の化合物であるアンモニアは、化学肥料の原料などとして国内ですでに年間約110万トンが使用されている。水素と比べると燃えにくいが、水素より液化しやすく、扱いやすい。輸送や貯蔵のインフラも整っている。

 水素より実用的といえ、そのまま火力発電に転用することができれば、メリットは大きい。

 東京電力ホールディングスと中部電力が共同で出資するJERAは、愛知県の発電所で実証事業を始めた。2024年度に、石炭の20%分をアンモニアにして発電する計画だ。世界で先行している日本の技術向上に努めてほしい。

 石炭火力は世界的に廃止を求める声が強いが、電力の安定供給を考えると一気になくせない。発電量が不安定な再生可能エネルギーを補完する役割もある。

 混焼で段階的にアンモニアの利用を拡大すれば、石炭火力を使いながら温室効果ガスの排出を削減できる。有効活用が望まれる。

 政府はさらに、50年に向けてアンモニアだけで発電する「専焼」の実現を目指すとしている。

 ただし、普及に向けては、残された課題が多い。

 石炭火力1基に20%分のアンモニアを混ぜる場合、年50万トンのアンモニアが必要になる。2基で現在の国内消費に相当する量だ。国内生産だけでは賄えず、世界的な調達網を構築せねばならない。

 燃やすと、大気汚染の原因となる窒素酸化物(NOx)が出てしまう。NOxを出しにくい燃焼機器や、除去する装置の性能を高めていくことが不可欠だ。

 国の試算では、発電コストは水素と比べれば大幅に安いが、石炭や天然ガスよりは高く、コストの低減が重要となる。

 アンモニアの製造には大量のエネルギーを消費するため、再生可能エネルギーを使った生成手法を確立することも大事だ。

 火力への依存度が高い他国との連携なども検討したい。

無断転載・複製を禁じます
スクラップは会員限定です

使い方
2299278 0 社説 2021/08/20 05:00:00 2021/08/20 05:00:00

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)