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アフガン新政権 タリバンの行動が試される

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 法の支配や人権の擁護は、国の体制が異なっても共通に守るべき普遍的価値観として、国際的に定着している。

 これらを尊重し、国家を正常に機能させることが、政権の正統性について各国の承認を得る条件となろう。

 アフガニスタンで、イスラム主義勢力タリバンが暫定政権の閣僚を発表した。2001年までの、前回のタリバン政権は、米同時テロを実行した国際テロ組織を かくま ったとして、米軍の進攻で崩壊していた。20年ぶりの復権となる。

 かつてのタリバン治政は、女性の抑圧で悪名高かった。教育を受けることを禁じ、1人での外出を許さず、社会進出はほとんど認めなかった。テロ組織とのつながりや麻薬密売などの犯罪行為は今も続いているとされる。

 タリバンは20年前との違いをアピールし、旧政権の幹部や女性ら幅広い人材を起用する「包摂的な政府」を強調してきた。

 だが、暫定政権の閣僚の顔ぶれは古参のタリバン幹部が占め、女性は登用されなかった。変化を体現しているとは言い難い。

 国民も国際社会も、前回の恐怖政治の記憶が強く残っている。信頼を得るのは容易ではあるまい。国民融和や女性の人権尊重について、末端の戦闘員まで浸透させ、実行に移すことが重要である。

 タリバンが掲げる「イスラム法に基づく統治」は、民主主義国家の法制度とは大きく異なる。そうであっても、自由や人権などの国際的規範の順守は不可欠であることをタリバンは認識すべきだ。

 首都カブールの空港付近で8月下旬に起きた大規模テロは、タリバンの治安維持能力に疑問符を付ける結果となった。

 テロを実行した過激派組織「イスラム国」などが、勢力拡大やタリバンの影響力弱体化を目的に活動を活発化させる恐れがある。新政権は、テロ撲滅に真剣に取り組む意思があるなら、諸外国と情報交換で協力すべきではないか。

 国際社会は、アフガンへの支援のあり方について、難しい判断を迫られている。

 アフガンの国家予算の大半を占める外国援助が途絶えれば、経済はマヒし、国民の困窮が深まるのは避けられない。一方で、新政権に問題が多い状況で援助を続けることも困難だ。長年続く腐敗構造にもメスを入れる必要がある。

 欧米や日本は、中国とロシアに呼びかけて共通の戦略を構築し、タリバンの前向きの変化を促していかねばならない。

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2352185 0 社説 2021/09/09 05:00:00 2021/09/09 05:00:00

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