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サイバー捜査 部隊創設で国際連携の強化を

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 国境を越えたサイバー攻撃に対応するため、警察庁は来年度、専門の捜査部隊を創設する。国内の関係機関だけでなく、海外とも連携し、捜査能力を高めることが重要だ。

 新設される部隊は、全国の警察から専門知識を持つ捜査員ら200人を集め、発電所や空港といった重要インフラを標的とするサイバー攻撃などの捜査にあたる。

 警察庁は本来、法整備などを行う行政官庁で、捜査は都道府県警が担っている。警察庁の組織が直接、逮捕権を含む捜査権限を持つのは皇宮警察以外で初となる。

 急速に巧妙化、高度化するサイバー攻撃に対抗するには、デジタルに精通した専門家による解析や犯罪組織の摘発が不可欠だ。

 国内では、企業や行政機関、個人への、サイバー攻撃とみられる不審なインターネット接続が年々増加している。昨年は1日平均6500件が確認された。

 特に「ランサムウェア」と呼ばれるコンピューターウイルスの被害が深刻だ。盗んだデータを暗号化し、復旧する代わりに身代金を要求する。米の石油パイプラインは操業停止に追い込まれ、ホンダも各国の工場が一時停止した。

 大規模なサイバー捜査は、東京都の組織である警視庁が中心だったが、国直轄の部隊が発足すれば、他国との連携も進めやすくなる。情報の共有に加え、捜査のノウハウを学ぶ機会にもなるはずだ。

 近年は中国、ロシア、北朝鮮など、国家の関与が疑われるサイバー攻撃も確認されている。

 欧米では米連邦捜査局(FBI)のような国の機関がサイバー攻撃の捜査を担っている。日本で情報や人材を一元化し、対処能力を高める意義は大きい。犯罪組織の実態解明と摘発を進めることは、攻撃の抑止にもつながるはずだ。

 ただ、国内の捜査環境は整っているとは言い難い。欧米では、犯罪者に対して逆にサイバー攻撃を仕掛け、システムを停止させるなどの攻撃的な手法を取っている。一方、日本では、捜査機関にこの種の権限は認められていない。

 今後は各国の事例も参考に、捜査権限の拡大について、立法措置も含めた議論が必要ではないか。民間の協力も得ながら、人材の育成にも努めなければならない。

 政府は、内閣サイバーセキュリティセンターを司令塔にして、サイバー対策を進め、自衛隊もサイバー攻撃に備えている。捜査部隊は、国内のこうした機関とも協力し、機動性や実効性のある組織づくりを目指してもらいたい。

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2380188 0 社説 2021/09/20 05:00:00 2021/09/20 05:00:00

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