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習近平政権 「共同富裕」は何を目指すのか

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 中国の習近平政権が、「共同富裕」をスローガンに、貧富の格差縮小を目指す措置を相次いで打ち出した。経済や社会のあり方がどのように変わるのか、注視する必要がある。

 中国は、政治は社会主義体制を取りながら、市場経済を導入する「社会主義市場経済」を通じて、成長を実現してきた。

 その礎を築いたのはトウ小平の「改革・開放」路線だ。一部の人や地域が先に豊かになることを認める「先富論」が土台だった。

 これに対し、習国家主席は8月、国民全体を豊かにする共同富裕を重点にして国民の幸福を図る方針を示した。先富論からの転換を表明したと言える。

 習氏は、高額所得抑制や低所得者支援、税制改革、寄付を通じて格差縮小を目指すとしている。

 これを受けて、大企業や富豪は競うように協力や寄付を表明し、IT大手アリババ集団は中小企業の支援などに計1兆7000億円を投じると発表した。

 習政権は同時に、IT大手の独占的立場を弱める統制や、富裕層を象徴する芸能人の脱税摘発を強化している。巨額の寄付の背景には、当局の締め付けから逃れたいという思惑もあるのだろう。

 資産の保有額が世界の上位10%に入る中国人は1億人を超える一方、平均月収が1万7000円前後の人は6億人に上るという。

 格差の是正や公平な分配は、欧米諸国にも共通する課題だ。

 中国が是正に取り組むことは必要だろうが、強権的な手法で解決を目指しているのなら、問題が多いと言わざるを得ない。経済に対する政府の行きすぎた介入は、成長を阻害する懸念もある。

 そもそも習氏が共同富裕を推進するのは、国民受けの良い政策で求心力を高め、長期政権の基盤を強化するためとの見方が強い。

 トウの政策を塗り替え、独自の路線をアピールすることで、毛沢東に並ぶ「歴史的指導者」の地位を確立する狙いもあろう。

 中国の小中高校では今月から、習氏の政治思想の学習が必修化された。習氏への個人崇拝が一段と進むことが予想される。

 毛沢東時代、過度な権力集中や神聖化が文化大革命の惨事を招いた歴史を忘れてはなるまい。文革では、毛の路線から外れたとみなされた者が手当たり次第に攻撃され、社会は大混乱に陥った。

 当時と異なり、現在の中国は世界第2の経済大国だ。誤った方向に進めば、世界全体に影響が及ぶことを認識すべきである。

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2381953 0 社説 2021/09/21 05:00:00 2021/09/21 05:00:00

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