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小型電動航空機 次世代の移動手段となるか

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 次世代の空の移動手段として、数人乗りの小型の電動航空機の開発が各国で進められている。政府は飛行の安全性を最優先に、実用化のためのルールを整えてほしい。

 新たな小型電動航空機は、「空飛ぶクルマ」とも呼ばれるが、道路は走行しない。ドローンのように、電気で動く複数のプロペラで垂直に離着陸するものだ。数百メートルまでの比較的低い高度で飛ぶことが想定されている。

 ヘリコプターより静かで、狭い場所でも離着陸できる。道路が寸断された災害現場に医師や物資を運べるほか、離島からの患者の搬送などに役立つ。渋滞が激しい都市部で、観光やビジネスに活用することも検討されている。

 欧米や中国で開発競争が進み、2~3年後の事業化が予定されているという。日本でも、大手自動車メーカーの出身者らによる新興企業が開発に取り組んでいる。

 量産化すれば、日本のもの作りの強みが生かせ、部品産業などへの波及が期待できる。

 政府も後押しする意向で、2023年までに離島間で利用できるようルールを定め、25年に旅客輸送の事業化を可能にする工程表を作るという。25年の大阪・関西万博で、会場の人工島と関西、神戸両空港の間で飛行する計画だ。

 具体的な目標を明確化して、企業が投資しやすい環境を整備する狙いは理解できる。

 ただ、空を飛ぶ以上、事故が起きれば人の生命にかかわる重大な結果を招く。一般の航空機並みの安全性を確保せねばならない。

 突風に耐え、バッテリー切れや機器の故障があっても飛行を続けられる機能を備えるべきだ。そうした安全性を、厳格に審査する基準が不可欠となる。

 将来は、操縦士なしで、位置情報などを使った自動運転を目指しているが、当面はパイロットの操作に頼ることになる。判断や操作のミスがないよう、技能を証明するルールも要る。

 一般の航空機は厳しい管制による監視で安全性を担保している。小型電動航空機でも、運航情報の共有などで事故を防止する万全の仕組みを構築してもらいたい。

 都市部では、安全な飛行ルートや発着場所の確保が重要だ。部品の落下などによる住民への被害を防ぐことも必須である。

 政府は離島や山間部での荷物の輸送で実証実験を重ね、技術面や運用面の課題を洗い出すという。実用化の前に、国民の不安を 払拭ふっしょく する努力を尽くす必要がある。

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2449058 0 社説 2021/10/17 05:00:00 2021/10/17 05:00:00

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