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アフガン情勢 人道危機回避へ国連が動け

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 アフガニスタンのタリバン暫定政権と一定の距離を保ちながら、生活に困窮するアフガン国民にどう支援を届けるか。

 今こそ、国連が中心になって、この問題に取り組むべきだ。それには、国連安全保障理事会の常任理事国である米英仏中露の協力が不可欠である。

 イスラム主義勢力タリバンがアフガンの実権を掌握してから、2か月が経過した。政府機関はいまだ正常に機能せず、経済がマヒした状態が続いている。

 原因はタリバン側にある。暫定内閣は、前政権の人材や女性を登用せず、事前に公言していた「包摂的な政権」とは程遠い。国際テロ組織との協力関係の断絶や、女性の権利の保障も、実現するかどうかは不透明だ。

 タリバンに批判的な欧米諸国はもとより、比較的関係が近い中露も含めて、各国はタリバンの行動を慎重に見極めている。暫定政権を承認した国は一つもない。

 こうした中で、アフガンの人々の苦境が深刻さを増していることを見過ごしてはならない。

 海外からの援助が途絶え、公務員の給与は支払われず、公的サービスがほぼ停止した。銀行での現金引き出しは制限されている。食料が不足している人は1400万人に上るという。厳しい冬を前に人道危機は目前に迫っている。

 主要20か国・地域(G20)は、特別首脳会議をオンライン形式で開き、アフガン支援を緊急に行う必要性で一致した。欧州連合(EU)は約1300億円、日本は約220億円の拠出を表明した。

 タリバンの承認問題は当面、脇に置き、人道的見地から援助の手を差し伸べるのは当然の判断だ。情勢悪化は、テロ組織の活性化や難民大量流出を招きかねない。

 問題は支援の方法だ。援助物資がタリバンに流用されては困る。米国は、国際機関を通じて国民に直接届けるという。そうでないと、大使館員らが退避している中で、透明性を確保するのは難しい。

 タリバンは支援に関わる人々の自由な出入国を認め、物資の円滑な輸送を保障しなければならない。経済を再生し、国民の支持や各国からの承認を得るうえでも、それが大事な一歩となる。

 中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領がG20会議に参加せず、日米欧との足並みの乱れが露呈したのは遺憾だ。

 人道危機への対処は世界共通の課題である。中露は米国との政治的対立を切り離し、アフガンの安定に向けて協力すべきだ。

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2449057 0 社説 2021/10/17 05:00:00 2021/10/17 05:00:00

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