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台湾半導体工場 日本進出を産業再興に生かせ

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 世界的な半導体メーカーである台湾積体電路製造(TSMC)が、日本の誘致に応じて、日本国内に新工場を建設すると発表した。

 半導体を安定的に調達することは、産業全体の競争力に直結する。TSMCの進出を歓迎したい。これを日本の半導体産業の再興に生かすことが重要だ。

 工場は、熊本県にあるソニーグループの画像センサー工場近くに建てられ、ソニーに半導体を供給するとみられる。2022年に着工し、24年の稼働を目指すという。TSMCの台湾以外の工場は、中国、米国に続き3番目となる。

 半導体はあらゆる工業製品に使われ、産業のコメとも呼ばれるが、コロナ禍からの景気回復に伴い世界中で需要が拡大し、供給不足に陥っている。自動車メーカーは大幅な減産を強いられている。

 日本は6割強を輸入に頼っており、経済安全保障の観点から政府が工場の誘致活動をしていた。半導体の製造技術で世界一のTSMCが拠点を置く意義は大きい。

 TSMCは、既に半導体素材の研究開発拠点を茨城県に設け、日本側と共同研究を始めている。協業をさらに広げてほしい。

 半導体は、回路の線幅が微細なほど処理能力が高い。新工場では、回路線幅が22~28ナノ・メートル(1ナノ・メートルは10億分の1メートル)の演算用半導体を生産する予定だ。

 スマートフォン向けなどの最先端品は10ナノ・メートル以下だが、現在、日本のメーカーは40ナノ・メートル程度までしか生産できない。

 新工場の製品は最先端ではないとはいえ、自動車やIT機器など多くの用途で、今後、需要増が見込まれている。国内メーカーへの安定供給のほか、技術者育成や製造技術の蓄積も期待できる。

 総投資額は8000億円規模になる見通しで、政府は半額程度の補助を検討しているという。異例の巨額補助金である。政府はTSMCに対し、市況変動で安易に撤退しないことや、日本国内への優先供給などを求めるべきだ。

 一方、中国との対立を抱える台湾の企業への過度な依存にはリスクもある。日本自身の半導体産業を立て直すことが望まれる。

 日本は、半導体の製造装置や素材に強みを持つ。それを生かして幅広い企業が連携し、次世代半導体の開発など、技術革新を加速させることが大切となる。

 米欧も半導体産業に巨額の投資を行う方針だ。政府は産業競争力を高めるための最重点分野に位置づけ、取り組んでもらいたい。

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2461386 0 社説 2021/10/22 05:00:00 2021/10/22 05:00:00

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