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保釈中にGPS 被告の逃走防止策を徹底せよ

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 刑事裁判の被告が保釈中に逃亡する事態は、司法手続きを妨げるだけでなく、地域住民や社会にも大きな不安を与える。国は逃走を防ぐ対策を徹底せねばならない。

 法制審議会は、保釈中の被告が逃亡することを防止するため、刑事訴訟法などの改正に向けた要綱を古川法相に答申した。

 裁判所が海外逃亡の恐れがあると判断した場合、居場所を特定するGPS端末を装着することを被告に命じられるようにする。

 空港に行ったり、端末を外したりすれば検知され、警察官らが急行する仕組みだ。違反者には懲役1年以下などの罰則も設ける。

 日産自動車前会長カルロス・ゴーン被告が2019年に海外逃亡し、司法関係者らに衝撃を与えた。海外に逃げた被告に日本の裁判を受けさせることは難しい。速やかに法改正を進めるべきだ。

 課題は、GPS端末を実際にどう運用するかだ。高性能で耐久性のある端末の選定や正確な検知システムの開発、人材の確保など、実務面を詰めてほしい。

 1審判決前に保釈が許可された被告は19年、1万4813人に上り、09年に比べ4000人近く増えた。逃走などを理由に保釈が取り消された被告も、5倍の219人に増加している。

 神奈川県では19年、実刑が確定した男が、収容に訪れた検察事務官らに刃物を振り回し、逃走する事件があった。地元の小中学校は休校となり、イベントも中止されるなど、地域社会が混乱した。

 被告の逃走は、住民に不安を広げ、捜索に多大な労力やコストを要する。保釈の際、被告は保釈保証金を納めることになっていて、逃げた場合は没収されるが、保証金頼みには限界がある。

 今回の要綱には、被告の親族らを「監督者」に選任し、本人とは別に保証金を納めさせる制度や、正当な理由なく裁判に来ない被告への「不出頭罪」の創設など、国内対策の強化も盛り込まれた。

 日本は、否認する被告の保釈が認められにくく、国内外から「人質司法」と批判されてきた。こうした事情もあり、近年、保釈件数が増えてきた経緯がある。

 欧米では、保釈中の被告に広くGPS装着を義務づける国が少なくない。今後、日本でも、装着の対象範囲を広げるべきだとする声が高まることも考えられる。

 新たに導入する制度の運用状況を十分に検証し、海外の事例も参考にしながら、実効性のある対策を目指してもらいたい。

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2466379 0 社説 2021/10/24 05:00:00 2021/10/24 05:00:00

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