コロナの後遺症 専門外来と相談窓口が必要だ

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 新型コロナウイルスの「第5波」で感染者が急増したことに伴い、後遺症に悩む患者が増えている。仕事を辞めざるを得ないケースもあり、政府の支援が急務である。

 東京都が設置したコロナの後遺症相談窓口には、第5波のピークを迎えた8月、前月の3倍にあたる817件の相談が寄せられた。大阪府では専門外来に患者が殺到し、数か月先まで予約が埋まっている病院もあるという。

 コロナの後遺症は「体がだるい」といった 倦怠けんたい 感や息苦しさ、味覚や嗅覚の障害、脱毛などの症状が多い。原因ははっきりしておらず、症状には個人差がある。

 自然に回復する人が多いものの、国立国際医療研究センターの調査では、感染者の1割に1年後も症状が残るなど、長期化する例もあることがわかってきた。ずっと治らないのではないか、という不安は察して余りある。

 症状を和らげる薬やリハビリで改善を図る治療などが行われているが、患者の増加に追いつかず、受診できる病院が全国的に足りているとは言えない状況だ。

 政府と自治体は、地域ごとに専門外来や相談窓口を設け、困っている患者がすぐに治療を受けられる体制を整えねばならない。研究を進め、新たな治療法の開発に取り組むことも大切だろう。

 後遺症に苦しむ患者は、20~50歳代の若者や中高年に多い傾向があり、働けなくなった場合の生活支援が課題となっている。

 神奈川県の大学病院を受診した患者のうち、2割は仕事を休んでおり、1割は短時間勤務などを強いられていた。退職を余儀なくされた人も少なくなかった。

 現行の制度では、会社員や公務員が病気の療養で仕事を休み、給与がなくなった場合、健康保険から傷病手当金を受けることができる。業務中、コロナに感染すれば、労災保険の対象になり得る。

 ただ、それだけで十分と言えるのか。政府は、後遺症の患者の生活実態を調査し、必要な支援策を打ち出してもらいたい。

 後遺症は、まだ社会に十分理解されておらず、家族や上司から「気のせい」などと言われることもあるという。体が思うように動かない当事者を、さらに追い詰める結果につながっている。

 ワクチンを2回接種した人は、感染のリスクが大きく減るだけでなく、万一、感染した場合でも後遺症が出にくいという海外の報告がある。ワクチンを打っていない人は接種を検討してほしい。

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2501877 0 社説 2021/11/08 05:00:00 2021/11/08 05:00:00

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