有識者最終報告 皇位継承を正面から議論せよ

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 皇室制度を将来にわたって維持していくためには、皇位継承のあり方を正面から論じることが避けられない。政府と国会は、早急に議論を深めてもらいたい。

 安定的な皇位継承策などを検討する政府の有識者会議が最終報告をまとめ、岸田首相に提出した。皇族数の確保について、皇族女子を結婚後も皇室に残す案と、旧皇族を養子縁組で皇籍に復帰させる案を軸としている。

 皇室は、天皇陛下と上皇さま、皇族方の計17人からなる。皇族女子は結婚すると皇籍を離脱する規定になっており、最近では秋篠宮ご夫妻の長女小室眞子さんが結婚で離脱するなど、皇族数の減少に歯止めがかからない状況だ。

 このままでは皇族が分担している公務の遂行に支障を来す。政府は年明けに会議の検討結果を国会に報告する予定で、与野党は速やかに協議を始めるべきだ。

 制度の実現に向けては、課題も少なくない。天皇、皇后両陛下の長女愛子さまや秋篠宮家の次女佳子さまらは、現行制度の下で生活されてきた。皇族女子の心情や意思にどのように配慮するのか、といった議論も必要だろう。

 旧皇族の皇籍復帰案の対象は、1947年に皇籍を離脱した11宮家の子孫が想定される。ただ、皇籍復帰を希望する人がいるかどうかもはっきりしないという。

 2案に沿った制度をつくるためには、皇室典範の改正などが必要になる。何より、国民の理解を得ることが不可欠である。

 皇位継承策について、最終報告が「具体的に議論するには機が熟していない」と提案を避けたことは残念だった。

 皇室典範は、父方が天皇の血を引く「男系男子」に皇位継承権を限ると定めている。継承権を持つ皇族男子は3人で、陛下の次の世代は悠仁さましかいない。

 最終報告は、皇室に残るとされる皇族女子の子供や、皇籍に復帰した人には皇位継承資格を持たせない考え方を示した。その是非とは別に、これでは皇位継承の問題は未解決のままとなる。

 小泉内閣が設置した有識者会議は2005年、女性天皇と女系天皇を容認する報告書をまとめている。野田内閣は12年、皇族女子が結婚後も皇室にとどまる「女性宮家」の創設を検討すべきだ、とする論点整理をまとめた。

 皇位継承権を巡る論点は出そろっている。天皇制を存続させるためにも、これ以上、結論を先送りすることは許されない。

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2635169 0 社説 2021/12/28 05:00:00 2021/12/28 05:00:00

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