統計書き換え 国交省の責任逃れは許されぬ

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 不適切な統計処理を続けた上、それが発覚しないよう取り繕っていた行為は悪質だ。国土交通省は深刻に受け止め、責任の明確化や再発防止策の徹底に努める必要がある。

 建設業の受注動向を示す建設工事受注動態統計で、国交省がデータの書き換えや二重計上をしていた問題に関し、第三者委員会が報告書をまとめた。問題を認識した後も公表せず、責任逃れを図った国交省の姿勢を批判している。

 報告書によると、データの書き換えは、統計が始まった2000年度には既に行われ、前身の統計から引き継がれた手法だった。

 建設業者からのデータ提出が遅れ、後から数か月分まとめて出された場合に、国交省が最新の月のデータとして合算するよう、都道府県に指示していたものだ。

 年間受注額が実際より少なくなることを懸念したというが、回収済みの数字を勝手に書き換えることなど認められるはずがない。

 13年度からは、未回答の業者には推計値を用いる方式を採用したため、二重計上が生じることになった。報告書によると、集計の実務を担う職員と、推計値の導入を決めた課長補佐以上の職員との間で情報が共有されなかった。

 この統計は、国内総生産(GDP)の算出にも使う国の基幹統計であり、政策判断を左右する。時の政権のために、意図的に数字を操作したとは認められなかったというが、政府はGDPへの影響について検証を急ぐべきだ。

 18年に厚生労働省の統計で不正が明るみに出て、基幹統計の一斉点検が行われた際、国交省では担当係長が対応を上司に相談したものの、取り上げられなかった。

 19年6月には新任の課長補佐が書き換え中止を訴えたのに、上司が受け入れなかったという。

 いずれも問題が発覚し、責任を問われることを恐れたのだろう。自浄能力の欠如が甚だしい。

 国交省は19年11月に会計検査院から指摘を受け、都道府県に書き換えをやめるよう通知した。ただ、過去の数字との変動が大きくなるとして、21年3月まで国交省自ら一部の合算処理を続けていた。

 国交省は、20年に別の建設関連統計の推計方法を変える際、統計を所管する総務省の委員会に対し、参考資料として合算処理の説明を潜り込ませ、承認されたように装ったという。 隠蔽いんぺい の意図がなかったと言えるのか。

 政府全体で統計の重要性を再認識し、人員配置の適正化などを進めなければならない。

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2687371 0 社説 2022/01/20 05:00:00 2022/01/20 05:00:00

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