年金額改定 老後の不安をどう和らげるか

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 「人生100年時代」を迎える。年金制度の運用を不断に見直し、老後の不安を和らげていくことが重要だ。

 厚生労働省は、2022年度の公的年金の支給額を今年度より0・4%引き下げると発表した。2年連続の減額となる。

 年金額は、物価や現役世代の賃金の動きに応じて、毎年度改定されている。今回は賃金の変動率が0・4%減で、物価の0・2%減を下回ったため、年金額は賃金に合わせて0・4%減になった。

 高齢者の家計は少し苦しくなるが、年金は、現役世代が納める保険料で賄われている。現役世代の負担能力に応じた給付水準にすることは年金財政の安定化に資するものだ。国は、丁寧に説明し、理解を求めてもらいたい。

 年金は、国民共通の国民年金と、会社員らが入る厚生年金の2階建て構造となっている。

 パートなどの短時間労働者は、厚生年金に加入できないことが多い。今回の改定で、国民年金は満額で月6万4816円となる。これだけでは老後は厳しい。労使が保険料を折半する厚生年金の加入者を増やすことが望ましい。

 厚生年金は原則として、週30時間以上働く人が対象だ。だが、パートでも「週20時間以上勤務」「月収8・8万円以上」などの条件を全て満たせば対象となる。

 これまでは、企業規模について「従業員501人以上」という条件があったが、20年に成立した年金改革関連法にもとづいて、今年10月から24年10月にかけて、段階的に「51人以上」まで広げることになっている。

 この改革により、新たに65万人が厚生年金の対象になると見込まれている。仮に企業規模の要件を撤廃すれば、さらに60万人が対象となる見通しだ。

 保険料を負担する企業の理解を得ながら、適用範囲をさらに拡大することを検討してほしい。

 近年は働き方も多様化している。年金が受給できる年齢になっても、健康状態や意欲、能力に応じて、仕事を続けられる社会をつくることが大切である。

 現在は、60歳から64歳までの人が働いて賃金と年金の合計月額が28万円を超えると、年金が減る仕組みになっている。就労意欲をそぐとの批判を受け、4月から、減額の基準が47万円に引き上げられる。制度改正を周知したい。

 だれもが安心して働けるようにすることは、着実に経済を成長させ、年金制度を安定させることにつながろう。

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2759912 0 社説 2022/02/15 05:00:00 2022/02/15 05:00:00

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