ウクライナ難民 国際社会の連携で支援強化を

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 ロシアの侵略がウクライナからの難民流出という人道問題を引き起こしている。国際社会は連携を強化し、難民を支援する必要がある。

 侵略が始まって5週間で、ウクライナの人口の10分の1に近い400万人を超える人々が国外に脱出した。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、「国外退避のスピードと規模は第2次大戦後、欧州で最大だ」として、事態の深刻さを訴えている。

 難民の流出は、ロシア軍が住宅街を攻撃するなど、違法で非人道的な行為を続けていることの何よりの証しだろう。

 ウクライナの成人男性の大部分は防衛のために動員されており、国外に出た難民の大多数は女性と未成年者だ。脱出先は、隣接する東欧諸国に集中している。

 欧州連合(EU)は、難民を保護する方針を迅速に打ち出し、EUでの長期間の滞在と就労を審査なしで認めることを決めた。

 異例の寛容な対応は、政治家だけでなく一般市民も、ロシアの侵略を身近な危機と受け止め、ウクライナを支援する機運が高まっていることの反映と言えよう。

 難民の約6割が入国したポーランドの官民あげての取り組みは、特筆に値する。難民に医療を提供し、子供を学校に通わせているほか、公的な施設だけでは足りないため、多くの市民が自宅に難民を宿泊させているという。

 戦況によって、難民はさらなる増加が予想される。一部の国に負担がかかる状況は、長期的に維持できまい。EU非加盟国のモルドバは、人口も経済力も乏しいが、多くの難民を受け入れている。

 今後の受け入れのあり方を巡り、EUが中心となって調整を進めることが重要だ。

 国際的な連携も不可欠だ。先月に開かれた先進7か国(G7)首脳会議は、ウクライナ周辺国に対する支援強化と、自国への難民受け入れで合意した。バイデン米大統領は、「全世界の民主主義国家が責任を負う」と強調した。

 2015年に中東・北アフリカから欧州に難民が大量流入した際は、受け入れ分担を巡り、欧州内で意見対立があり、「反難民」を掲げる極右勢力の伸長も招いた。同じ てつ を踏んで、ロシアに付け入る隙を与えてはならない。

 日本も傍観は許されない。難民の受け入れ数を大幅に拡大すべきではないか。定住を希望する人々の住居の確保や、就労支援などの態勢を早急に整備したい。

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2889652 0 社説 2022/04/03 05:00:00 2022/04/03 05:00:00

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