外国籍の子供 日本語教育を行き届かせたい

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 外国籍の子供が日本語を学べないまま、学校の授業についていけなくなったり、社会に溶け込めなくなったりすることがあってはならない。

 文部科学省の調査では、公立の小中高校などで、通常授業とは別に日本語の指導を必要とする外国籍の児童生徒は昨年度、4万7000人を超えた。1991年の調査開始以降、最多を記録した。

 親の国際結婚などで、日本国籍を持っていても言葉の指導が必要な子供も1万人を超えており、過去最多だった。

 外国人労働者の受け入れ拡大などで、こうした子供が今後も増えるのは確実だ。2019年に施行された日本語教育推進法は、外国人への日本語教育の充実を国や自治体の責務としており、体制を整備する必要性は高まっている。

 文科省は、小中学校の教員の配置について、日本語の指導が必要な子供18人に1人の割合という基準を設けている。高校でも今後、同様の制度を導入するという。

 現場の対応は、地域によってばらつきがあるのが実態だ。文科省の調査では、「指導できる人員の不足」を理由に、整備していない自治体が少なくなかった。

 児童生徒の日本語能力はそれぞれ異なる。学校側が正確に能力を見極めねばならない。指導が必要なのに放置されることがないよう、対策をとってほしい。

 日本語の指導が必要な子供の高校進学率は、全中学生の進学率と比べて10ポイント近く低く、高校中退率も高くなる傾向がある。成長段階に応じた日本語能力を身につけられるように、小中学校での指導を徹底することが重要だ。

 自治体や学校の取り組みだけでは限界がある。教職課程に日本語指導の科目を置く大学も増えている。地域の大学や企業、国際交流団体などが協力し、ボランティアも活用して日本語指導を支援する枠組みを広げるべきだ。

 約2万5000人の外国人が暮らす浜松市では、こうした外部人材も生かし、子供から大人まで日本語を学べるようにしている。

 保護者が日本語を理解出来ず、子供の就学に消極的な例もある。親子がそろって学習できる環境を整えれば、学校に通わない子供を減らせるだろう。

 外国籍と日本人の子供が不自由なく会話を交わして日常的に接することは、互いの文化の尊重や理解促進につながる。日本が今後、人道危機にあるウクライナの人々の受け入れを拡大する際にもこうした視点を大切にしたい。

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2923997 0 社説 2022/04/15 05:00:00 2022/04/15 05:00:00

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