新興企業の支援 円滑に資金が流れる有効策を

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 低成長が続く日本経済の活力を高めるには「スタートアップ」と呼ばれる新興企業を育てることが不可欠だ。官民が連携して、支援体制を抜本的に強化してほしい。

 政府は今年を「スタートアップ創出元年」と位置づけ、新興企業を育成するための5か年計画を6月に策定する方針だ。資金調達の大胆な後押しや、優れたアイデアや技術を持つ人材の確保などの具体策を盛り込むという。

 検索サービスやSNS、動画配信などを手がける巨大IT企業が次々と生まれる米国や中国と比べ、日本はスタートアップが育ちにくいと指摘されている。

 企業全体のうち、新規参入の割合を示す開業率は、日本は4%程度で、欧米諸国の10%前後より大幅に低い。政府はこれまでも、特区による新事業の規制緩和や研究開発の支援など様々な措置を講じてきたが、成果が出ていない。

 その原因がどこにあるのか、政府は幅広く点検した上で、対策を拡充することが重要だ。

 新興企業からは、資金調達の困難さを訴える声が多い。

 新興企業への出資を手がけるベンチャーキャピタルの投資額は、日本では米国の1%以下の規模しかない。既存の大手企業などによる投資も低水準にある。

 政府は、新興企業の育成にノウハウを持つ海外投資会社から資金の呼び込みを図るほか、公的年金のような運用資金の一部を活用する案などを検討するという。

 事業に失敗することもある新興企業に対する投資のリスクを分散させて、資金が円滑に流れる仕組み作りに知恵を絞りたい。

 資金力がある大企業と、新分野に挑む新興企業の関係を深めていくことも有効だろう。

 政府は、異分野、異業種の知見を結集する「オープンイノベーション」の推進を重点施策に掲げている。独自技術を持ちながら資金力に乏しい新興企業と大企業をうまく引き合わせ、技術革新が加速するような施策が望まれる。

 国内でも、急成長する新興企業が少しずつ目立ち始めている。フリーマーケットアプリの「メルカリ」や、名刺データ管理の「Sansan」は株式を上場した。

 人工知能(AI)開発の「プリファード・ネットワークス」や、微生物を使って糸や樹脂などの次世代素材を生み出す「スパイバー」も注目されている。

 こうした企業を成長に導いた要因を分析し、先行事例として参考にすることが大切だ。

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2930655 0 社説 2022/04/18 05:00:00 2022/04/18 05:00:00

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