[統一選2019]「身内同士」勢力争い…自民4知事選で

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「竹下王国」県議が反旗 島根

 4月7日投開票の11道府県知事選のうち、自民党は福井、島根、徳島、福岡の4県で候補者を一本化できず、「身内同士」の骨肉の争いが展開されている。党幹部や元国会議員ら、地元の有力者による勢力争いが背景にある。なかでも動きが激しい島根、福岡の両県で選挙戦の現場を歩いた。

 「情勢は厳しい。島根を一緒によくしよう」

 島根県知事選の候補者・大庭誠司氏は30日、島根県出雲市の駐車場で演説し、約50人の聴衆にこう語りかけた。傍らに立つ青木一彦参院議員は、演説に先立って一人一人と握手したり、頭を下げたりした。

 青木氏は青木幹雄・元官房長官の長男だ。幹雄氏は同県選出の竹下登・元首相とともに、島根で固い保守基盤を築いてきた。「竹下王国」とも称される。

 ところが、今回の知事選では異変が生じた。44年ぶりの保守分裂選挙だ。

 竹下氏の弟で党県連会長の竹下亘・前総務会長ら5人の県連所属国会議員は、元総務省消防庁次長の大庭氏を擁立して党の推薦も得た。これに反発する自民党県議らは、元県政策企画局長の丸山達也氏を推している。

 島根では長年、国会議員が知事選の候補者選びを主導してきた。自民党の県議には不満もあったが、表立って反旗を翻す動きはなかった。今回、党内に亀裂を生じさせてまで丸山氏の擁立に動いたのは「もうこれ以上、我慢できない」(県議)と、強く意思表示するためだ。

 島根の自民党県議22人のうち、竹下系列も含む14人が丸山氏を支える。立憲民主党や国民民主党の県議ら、党派を超えた支持も集まった。丸山氏は30日、松江市で街頭演説し、「有志の皆さんの手作り選挙だ」と輪の広がりを強調した。

 大庭陣営は危機感を強めている。ある自民党県議は、青木幹雄氏から電話で「自民党は大庭さんに決めたんだから、やってくれ」と頼まれたという。この県議は「新しい血を入れないと島根はもたない」と断った。

 「連日連夜、ご奮闘をいただいている」

 食道がんの治療で療養中の竹下亘氏も28日、大庭氏の支援者をねぎらう談話を県連ホームページに寄せた。4月2日には小渕優子・元経済産業相、3日には加藤総務会長が続けて島根入りするなど、竹下派を挙げて応援する態勢を整える。

 統一地方選後の夏には、安倍首相が勝負所と位置づける参院選が控える。大庭氏を支援する県議は、表情を曇らせる。

 「参院選の実動部隊は県議ら地方議員だ。どちらが勝ってもしこりは残る」

(政治部 木村優里、松江支局 安恒勇気)

麻生氏1強に包囲網 福岡

 30日夜、福岡県田川市の田川文化センターで行われた同県知事選候補・小川洋氏の総決起大会には、花見シーズンの週末にもかかわらず約2000人が集まった。

 「言うことを聞かないからといって現職知事(の小川氏)をいじめること、個人的な感情で知事を代えようとするのは断じて許されない」

 自民党の武田良太衆院議員が語気を強めると、聴衆から拍手が起きた。

 武田氏の発言の念頭にあったのは、福岡県をおひざ元とする麻生副総理兼財務相だ。麻生氏らは今回、元厚生労働官僚の武内和久氏を知事選に擁立した。小川氏は過去2回の選挙で自民党の手厚い支援を受けたが、今回は党本部からの推薦すら得られなかった。小川氏は総決起大会で「2期8年、一生懸命、福岡県の発展のため頑張った」などと実績を訴えた。

 保守分裂の発端は、2016年の衆院福岡6区補欠選挙だ。麻生氏が蔵内勇夫・福岡県連会長の長男の擁立を主導した際、小川氏は中立を貫いた。麻生氏らの怒りを買ったとされる。麻生氏は今回の知事選前、安倍首相に直談判し、武内氏の党本部推薦を取り付けた。麻生氏は22日の記者会見で、小川氏を支援する動きを「造反だ」と厳しい表情で非難するなど、にらみを利かせている。

 ただ、こうした麻生氏の手法は反発も生んだ。県内の衆院小選挙区選出議員11人のうち6人は、小川氏支持に回った。県内で依然、力を持つ山崎拓・元副総裁や古賀誠・元幹事長らも小川氏陣営につくなど、さながら「麻生包囲網」の様相を呈している。

 対立の背景には県政界の覇権争いがある。古賀、山崎両氏の引退後、県内では、安倍内閣の屋台骨として影響力を誇る麻生氏の「1強」が続いている。小川氏を支持する国会議員は「今回の知事選で『反麻生勢力』が勝てば、県内で麻生氏の発言力を弱めることができる」ともくろむ。

 分裂の影響で支持の広がりを欠く武内氏は30日、北九州市での街頭演説で「自民党推薦の候補だ」と改めてアピールした。「若いからこそ思い切った政策にチャレンジできる」と、小川氏との違いを打ち出すのに懸命だ。

(政治部 小野健太郎、西部社会部 山田伸彦)

▽島根知事選立候補者

山崎 泰子 57 無新

丸山 達也 49 無新

島田 二郎 65 無新

大庭 誠司 59 無新

▽福岡知事選立候補者

篠田  清 70 無新

武内 和久 47 無新

小川  洋 69 無現〈2〉

(敬称略、届け出順)

無断転載禁止
515255 0 統一地方選2019 2019/03/31 05:00:00 2019/09/19 15:10:45 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/03/20190330-OYT1I50071-T.jpg?type=thumbnail

統一地方選挙2019 候補者

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統一地方選挙2019 日程

前半選挙
3月21日(木) 知事選告示
3月24日(日) 政令市長選告示
3月29日(金) 道府県議、政令市議選告示
4月7日(日) 知事・道府県議、政令市長・政令市議選投票
後半選挙
4月9日(火) 衆院補選(大阪12区、沖縄3区)告示
4月14日(日) 市区長・市区議選告示
4月16日(火) 町村長・町村議選告示
4月21日(日) 衆院補、市区長・市区議、町村長・町村議選投票

※区長・区議は東京都特別区。

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