「なり手不足」対策急げ…地方部長 滝鼻太郎

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 4年に1度の統一地方選が、一部の開票をのぞいて終了した。振り返ると、論戦の内容以上に、「なり手不足」という民主主義の根幹にかかわる問題が目立つ結果となった。

 今回の統一地方選をまず、政令市以外の86市長選でみると、立候補者が1人しかおらず無投票となった市長選は27市(31%)に上った。町村長選では、45%に及ぶ55町村で無投票となった。

 議員選挙では、41道府県議選で、総定数のおよそ4分の1に当たる612人が無投票で当選した。政令市以外の市議選は294市議選のうち11市で無投票だった。

 深刻なのは、町村議選だ。375町村議選のうち、無投票はほぼ4分の1にあたる93。このうち立候補者数が定数に届かない「定数割れ」は、前回より4増の8町村に上った。議員は地域の代表だ。有権者が候補者の中から納得した人を投票で選び、政策判断、行政の監視などを託すのが議会制民主主義の基本だ。

 町村議員のなり手不足の一因には、報酬の低さが指摘されている。

 全国町村議会議長会などによると、平均報酬月額は都道府県議が約81万円、政令市議約79万円、市議約42万円。これに対し町村議員は約21万円だ。2018年の毎月勤労統計調査では、労働者1人当たりの平均賃金を示す現金給与総額(月平均)は約32万円。単純比較はできないが、専業の議員にとっては生活だけでぎりぎりの水準だろう。

 対策が始まっている地域はある。議員報酬が月7万2000円引き上げられ、28万3000円となる宮崎県新富町の議員選では、定数12に前回より2人多い17人が立候補した。

 やりがいなどが認知されないことも、なり手不足の要因ではないか。人が集まるスーパーに議員が出向くなど町民と議会の交流を進め、立候補者が現れ選挙戦となった町がある。

 議員定数を削減する考え方もある。苦渋の選択だが、これには「議員の多様性が薄れる」などの指摘もある。各地の状況、実例を踏まえ、無投票や定数割れを防ぐ取り組みが求められる。

 地方の人口減がさらに進むのは必至だ。課題は増えてくるだろう。過疎、少子高齢化。外国人材の受け入れ拡大への対応もある。地域の実情や訴えを丁寧に聞き取り、解決に向けて行動する議員、議会の役割はますます重要になる。

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