選挙結果確定が1時間半遅れた市長選、原因は開票立会人…「作業説明は何も受けていない」

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 衆院選の任期満了(10月21日)まで4か月を切った。解散時期に関係者の注目が集まるなか、各地の選管は公示や投開票事務の準備を進めている。4月にあった大分県竹田市長選では予定より約1時間半遅い午後11時半に確定時間がずれ込んだ。原因を探ると開票立会人に関する問題が浮かんできた。(古野誠)

開票作業を行う竹田市職員。奥の壇上に立会人が座る(4月18日、竹田市総合社会福祉センターで)
開票作業を行う竹田市職員。奥の壇上に立会人が座る(4月18日、竹田市総合社会福祉センターで)

 「選管から言われたのは、集合時間だけ。作業の説明は何も受けていない」。初めて市長選の立会人を務めた男性はこう明かした。2週間前にある候補側から頼まれて引き受けたという。

 市長選には新人3人が立候補し、立会人は各陣営から1人ずつ選ばれた。選挙戦は前回の2017年と同じ候補者数で、ある市職員は「2時間あれば結果がでるはずだった」と振り返る。

 しかし、立会人の所で作業が滞った。投票用紙は候補者ごとに仕分けされ、ほとんどは100票の束で立会人の所に運ばれる。数は2度、点検されており、立会人の主な作業は「他候補の票が混入していないか」「有効票と判断してよいか」だった。

 開票作業は市総合社会福祉センターで午後8時に始まった。次々と票の束が運ばれている中、男性は隣の立会人が1束が100票になっているかを1票ずつ数え始めたため、同じように対応した。しばらくすると、その立会人が市職員から「すでに数えているので再び数えなくていい」と言われたのを見て数えるのはやめ、それ以外の点検に没頭した。以後は作業に関する助言はなかったという。男性は「ミスをしてはいけないという気持ちで集中してやった」と振り返る。

 立会人への事前説明は、国政選では総務省が県を通じ、知事選や県議選では県が各市町村に実施を求めている。市町村の首長選や議員選は各選管の判断に委ねられているが、説明の内容は各自治体で異なる。

 竹田市長選と同じ日程の宇佐市長選では開票前に市役所で立会人向けの説明会を実施し、開票作業は予定よりも50分早い1時間10分で終了した。竹田市選管は5月16日の県議選竹田市区の補欠選挙で、注意事項を詳細に記した文書を配布。「票数の再点検は不要」という文言も付け加え、作業を1時間15分で終えた。

 選挙事務に44年間携わった元川崎市選管事務局長の小島勇人氏は、立会人には候補者の利益代表という側面のほか、公平な開票作業が行われているかを監視する役割があると指摘する。さらに開票結果を迅速に示す「公益性」が求められるとして、「選管には立会人の公益性に応える意識が必要で、具体的な作業手順や投票の有効・無効の判断について説明するのは当然だ。トラブルの背景には、こうした意識の欠如がよくある」としている。

 ◆ 開票立会人 =開票事務の公平性を保つために作業を監視する人。立候補者が有権者の中から選ぶなどし、市町村の選管に届け出る。投票箱に異常がないかを確認したり、疑義のある票の効力を調べたりする。公職選挙法の規定で3~10人とされ、11人以上の届け出があった場合は抽選となる。

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