[政治の現場]参院選 各党戦略<5>共産 ソフト路線に…社民は背水 特区廃止訴え

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 共産党は参院選に向け、イメージチェンジを図っている。

 「国民誰もが希望を持ち、安心して暮らせる日本を作りたい。それが私たちの考えだ」

 5月23日夕、買い物客でにぎわう大阪市の南海難波駅前でマイクを握った志位和夫委員長(64)は、36分間の演説の半分以上を、消費税率10%への引き上げ中止や最低賃金引き上げなど、「暮らし」に関する党の政策紹介に費やした。

 従来の「政権批判重視」(同党幹部)だった演説のトーンを変えたのには訳がある。

 共産は統一地方選の道府県議選、政令市議選、区市町村議選のいずれでも議席数を減らした。統一選後、志位氏も出席し、インターネットで党に登録している「JCPサポーター」の集まりで理由を探ると、「安倍政権の批判ばかりでなく、自分たちがもっと希望を持てるような主張を積極的に発信してほしい」という指摘が相次いだという。

 党幹部による会議でも、「安全保障法制や共謀罪が注目されていた時なら『安倍政権を終わらせよう』で良かったが、内閣支持率を見れば、今はただの批判では一般の有権者に届かない」という認識が共有された。

 こうした議論を踏まえ、5月12日の第6回中央委員会総会で、「批判とともに希望を語ろう」という今後の活動方針を打ち出した。

         ◇

 共産は、他の野党との連携でも、ソフト路線を取り入れている。

 4月の衆院大阪12区補欠選挙。衆院議員だった宮本岳志氏(59)が無所属で出馬し、他党を驚かせた。現職議員の無所属での出馬は結党以来初の試みだった。

 共産は当時、参院選1人区の野党協議で、共産候補への一本化を2016年参院選の1人から増やすように求めており、宮本氏の無所属出馬は「野党統一候補」の誘い水にする狙いがあった。

 結果は惨敗に終わったが、選挙期間中には、立憲民主党の枝野、国民民主党の玉木両代表ら多くの他党議員が事務所への激励などに駆けつけた。

 志位氏は投開票日の4月21日夜、「この戦いは今後に必ず生きる」と宮本氏を電話でねぎらった。

 参院選1人区の野党協議では狙い通り、福井、鳥取・島根、徳島・高知の3選挙区で共産の候補が「野党統一候補」となることが決まった。志位氏は「3年前の参院選は1県だったが、大きな前進だ」と評価した。

 新たな取り組みには、共産党らしさが薄まり、立民などに票を奪われるリスクもつきまとう。吉と出るか凶と出るか、参院選で審判が下される。

         ◇

 社民党は、参院選に背水の陣で挑む。福島瑞穂副党首(63)は5月16日の党会合で、「なんとしても、比例選で2%以上を獲得する」と強調した。同党は現在、所属国会議員が4人。17年衆院選の得票率は1・69%で、今回の参院選で2%を割ると、公職選挙法上の政党要件を失う可能性がある。

 参院選公約には、学校法人「加計学園」問題で注目を集めた国家戦略特区の廃止を打ち出し、独自色をアピールしたい考えだ。

 ただ、又市征治党首(74)は現在、肺がんの手術後の療養中で、参院選比例選への不出馬を表明している。党員の高齢化も指摘される。かつて自民党と争った旧社会党を源流とする老舗政党が存亡をかけた夏を迎える。

 

比例選 勝負の軸に

 共産党は参院選で、「自公と補完勢力を少数に追い込む」と意気込む。比例選を選挙戦の軸に据え、7人以上の当選を狙う。前回(601万票、得票率10・7%)を上回る「850万票、得票率15%以上」が目標だ。

 選挙区では、13すべての複数区に加え、「1人区」では福井、鳥取・島根、徳島・高知の3選挙区で新人を野党統一候補として擁立する。現職議員が改選を迎える東京や京都、大阪が最重点区だ。

 社民党は、比例選で4人を擁立する方針だ。選挙区では鹿児島(改選定数1)で党公認の野党統一候補の擁立を目指し、他党と調整中だ。複数区では東京(同6)で擁立を発表し、ほかでも積極的に擁立するとしている。

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620757 0 参院選2019 2019/06/05 05:00:00 2019/09/19 15:38:16 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/06/20190604-OYT1I50070-T.jpg?type=thumbnail

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