[スキャナー]参院選 注目の数字

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 通常国会の26日閉幕とともに、参院選(7月4日公示―21日投開票)に向けた事実上の選挙戦が始まった。2017年10月の衆院選から約1年9か月、安倍内閣が推進してきた政策への評価も投票結果になって表れそうだ。議席数に着目し、選挙戦の焦点を探る。 (政治部 太田晶久、鷹尾洋樹)

 

53? 63?議席…自公で過半数なるか

参院の議場を後にする議員ら(26日、国会で)=米山要撮影
参院の議場を後にする議員ら(26日、国会で)=米山要撮影

 「勝敗ラインは自民党と公明党で過半数を確保する(ことができるかどうか)ということだ」

 安倍首相は22日のインターネット番組で、こう述べた。

 与野党は今回の参院選で選挙区選74、比例選50の計124議席を争う。非改選議席121と合わせ、選挙後の総定数は245になるため、過半数は123だ。首相は同番組で〈1〉非改選を合わせた総定数245の過半数〈2〉改選定数124の過半数――のどちらを意味するのか明らかにしなかったが、周辺には〈1〉だとの考えを示している。

 〈1〉の場合、非改選議席は自民56、公明14の計70なので、今回選挙で必要な議席は53以上となる。公明が16年参院選の14議席とほぼ同じ結果を残せば、自民党は40議席程度でも勝敗ラインをクリアできる。党内では「目標が低すぎる」(若手)と疑問視する声がある。

 首相は改選定数が121だった前回の16年参院選で、勝敗ラインを「与党で改選議席の過半数」(61議席)に置いた。前回に比べ慎重なのは、13年選挙で自民が65議席の大勝を収めた際に当選した議員が今回改選を迎え、反動減が予想されるためだ。「責任論を回避しようと予防線を張った」との見方が出ている。

 非改選を合わせ自民単独で過半数を占めるには67議席が必要だ。13年参院選の結果を上回る必要があり、「現実的ではない」(自民党関係者)とする声が多い。

 こうした事情を踏まえ、自民党幹部には〈2〉を勝敗ラインに設定すべきだとの声が少なくない。二階幹事長は「与党で改選過半数が目標だ」との考えを周辺に伝えた。今回選挙で必要な議席は63となる。岸田政調会長も26日の記者会見で「改選過半数が与党の目標としてふさわしいのではないか」と語った。

 野党は与党を過半数割れに追い込み、参院で野党が多数を握る「ねじれ」を生み出したい考えだ。立憲民主、国民民主、共産、日本維新の会、社民の5党と野党系無所属は今回の選挙で計75議席以上獲得しなければならず、ハードルは高い。

 

86議席…改憲勢力「3分の2」

 憲法改正に前向きな勢力で参院総定数の「3分の2」(164議席)に届くかどうかも焦点になる。

 首相は参院選後、改憲論議を前進させたい考えだ。26日の自民党選挙対策本部の会議でも、衆参両院の憲法審査会の低調ぶりを指摘し、「審議にすら応じない政党を選ぶのか、議論する政党を選ぶのか、それを決める選挙だ」と強調した。

 憲法改正の国会発議には、衆参各院の「3分の2」以上の多数が必要だ。自民、公明両党は、衆院では「3分の2」を確保している。参院では、自公両党のほか維新など改憲に前向きな勢力を合わせれば「3分の2」を超える。

 非改選の改憲勢力は、自公と維新に、無所属の藤末健三、渡辺喜美両参院議員を加えた計78人。今回の参院選で「3分の2」を超えるには86議席が必要だ。自公維3党の改選議席は85議席で、「厳しい数字だ」(自民党関係者)とする声もある。

 

32選挙区…勝敗分ける1人区

 32ある改選定数1の「1人区」は、参院選全体の勝敗を左右するとされる。与野党で議席を分け合うことの多い複数区と違い、明暗がくっきり分かれるためだ。

 第1次安倍内閣下で行われた2007年参院選では自民党が6勝23敗と惨敗し、2か月後の病気による首相退陣につながった。13年参院選では自民党が29勝2敗と圧倒し、大勝の原動力となった。16年は候補者を一本化した野党が11勝21敗とし、一定の成果を上げた。

 立民、国民、共産、社民の野党4党は今回、全32選挙区で候補者を一本化した。このうち18人は無所属で出馬する。「選挙戦で共闘するには、政党色を薄めた方が得策」(共産幹部)とみたからだという。

 野党は16年の11議席を「最低ライン」と位置付ける。ただ、ベテランの現職らが地力を示した16年とは異なり、今回の野党統一候補は大半が新人で、知名度不足は否めない。一部の選挙区では、一本化作業が難航したことに伴う感情的なしこりも残る。

 自民党は1人区のうち、16年に敗れた青森や岩手など11選挙区を激戦区に指定した。さらに秋田、滋賀など5選挙区を同等の扱いとし、党幹部を積極的に投入する方針だ。最近は「政策がバラバラの政党が集まっ(て擁立し)た候補だ」(岸田政調会長)などと「野合」批判を強めている。

 

[ニュースQ+]参院選の仕組みは?…「選挙区」と「比例」 任期は6年

 Q 参院選の仕組みは。

 A 都道府県単位を基本とする「選挙区選」と、全国単位の「比例選」を併せて行う。参院議員の任期は6年で、3年ごとに定数の半数が改選される。今回は公職選挙法改正に伴う定数増を受け、2016年参院選より3多い計124議席(選挙区選74、比例選50)を争う。 

 Q 選挙区選で議員を選ぶ仕組みは。

 A 各選挙区で候補者1人に投票し、得票順に当選する。衆院選の選挙区選は1選挙区につき1人が当選するが、参院選は有権者数が多い選挙区ほど定数が多くなる。

 Q 具体的には。

 A 現行制度では定数2、4、6、8、12の5種ある。定数2の選挙区は、3年ごとに半数の1人が改選されるため「1人区」とも呼ばれる。今回選挙の1人区は32あり、全体の勝敗を左右する可能性がある。2、3、4人区はそれぞれ4。6人区は東京選挙区だけだ。16年参院選から有権者の少ない隣県を統合する「合区」が導入され、「鳥取・島根」「徳島・高知」は2県で1選挙区となった。

 Q 比例選で議員を選ぶ仕組みは。

 A 各政党の名簿から当選者を決める。投票用紙には〈1〉政党名〈2〉名簿に登載された候補者の個人名――のどちらかを書く。〈1〉と〈2〉の合計が、その政党の総得票数になる。総得票数に応じて名簿登載者のうち何人当選するかが決まり、その枠内で個人名票を多く獲得した候補者から順に当選する。ただし、政党が名簿に「特定枠」を設けた場合、その候補者は個人名票に関係なく優先的に当選する。特定枠は今回選挙から新たに導入される。

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659317 0 参院選2019 2019/06/27 05:00:00 2019/09/19 15:40:12 参院本会議が閉会し議場を後にする議員ら(26日午前11時56分、国会で)=米山要撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/06/20190627-OYT1I50002-T.jpg?type=thumbnail

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