[党首に聞く 参院選2019]勝敗 非改選含め「123」…自民党総裁(首相) 安倍晋三氏 64
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参院選で各党は何を国民に訴えようとしているのか。与野党の党首に聞いた。

――何を訴えるか。
安定した政治の下で政策を進めるのか、再び混乱を起こすのかがテーマだ。安定した政治を進める観点から、非改選を含めて与党で過半数の123議席の確保が勝敗ラインだ。全世代が安心できる社会保障改革を進める。戦後の日本外交の総決算を行いたい。拉致問題の解決、日中新時代、日露平和条約の締結。こうした悲願に向かって進みたい。
――先の
米朝プロセスを進めることに資することを期待する。条件を付けずに
――韓国への輸出管理強化に懸念も出ている。
日本はすべての措置はWTO(世界貿易機関)ルールと整合的でなければならないという考え方だ。(今回の措置は)自由貿易とは関わりない。国と国との信頼関係の上に行ってきた措置を見直した。
――トランプ米大統領が日米安全保障条約に不満を示した。
日本ができることは、トランプ氏に今まで様々な機会で話をしている。日米同盟の仕組みはトランプ氏に理解いただいている。懸念には及ばない。
――老後に年金以外で2000万円が必要とした金融審議会報告書の受け取り拒否を72%が不適切とみている(読売新聞世論調査)。
平均した数字をモデルのように扱っているのは間違いだから、報告書を基に政策を作らないと明確にするために、受け取らなかった。現実から逃げているということでは、全くない。
――憲法改正のための連立組み替えは考えるか。
2020年に改正憲法施行の思いに今も変わりないが、スケジュールありきではない。決めるのは国民投票だから、国会の憲法審査会で政党が案を持ち寄り、議論するのが当然だ。参院選はしっかりと議論する政党を選ぶのか、議論すらしない政党や人を選ぶのかだ。改憲論議は、政権の枠組みとは関わりがない。風雪に耐えた自公連立政権を変更することはない。
――長期政権の長所と短所は。
各国首脳と何回も会談を重ね、信頼関係があるからこそ、主要20か国・地域(G20)首脳会議では決着に持ち込めた。少子高齢化のような長期的課題にも立ち向かえる。政権が長いとおごり、緩みが生じるとの批判を承知しながら一層、身を引き締めなければならない。私は今度、6回目の(国政)選挙だ。5回勝たなければここまで来られなかった。様々な審判を受け、乗り越えてきたことも、理解してほしい。