[政策分析 参院選2019]<4>成長戦略 最低賃金上げに目標額

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鹿児島市内の公共施設で清掃作業をする女性(6月27日、鹿児島市内で)
鹿児島市内の公共施設で清掃作業をする女性(6月27日、鹿児島市内で)

 鹿児島市内にある公共施設で6月下旬、男女数人の清掃作業員が、1階から順にトイレ掃除を始めた。約20年間働く女性(78)は、洗面台の水滴をタオルで拭き取った後、個室内のトイレットペーパーを手際よく交換して回った。

 女性が働く施設管理会社は500人規模の雇用を抱える。60歳以上の高齢者や女性が多く、地元では貴重な働き口だ。

 ただ、そのほとんどは最低賃金に近い水準で働く。女性もその一人で、1日8時間、毎月22~23日働き、「月収は14、15万円程度」という。

 全国では、労働者全体の約1割にあたる300万~500万人が最低賃金の水準で働く。最低賃金の引き上げは、多くの働き手に恩恵が及ぶだけではなく、日本経済の消費の底上げにもつながると期待される。

 一方、中小・零細を中心に企業の負担は膨らむ。施設管理会社の幹部は「これ以上の引き上げは会社の存続に関わる」と危機感を募らせた。

 鹿児島県の最低賃金は時給761円で、全国で最も低く、最も高い東京都(同985円)と224円の開きがある。仮に東京並みの水準となると、人件費は、年間で億円単位で膨らむという。こうした事情を感じ、男性従業員(70)は「賃金が上がるのはうれしいが、会社や仕事がなくなったら元も子もない」と話した。

        ◇

 政府は、最低賃金の引き上げ方針を掲げ、2016年度から3年連続で3%台の引き上げ率を達成してきた。この結果、15年度に798円だった全国加重平均の最低賃金は18年度に874円まで高まった。

 政府内では、今年の引き上げ目標を「3%以上」に上方修正するかどうかが焦点となったが、中小企業への影響を考慮し、従来目標の全国平均1000円を「より早期に」達成する方針に落ち着いた。

 自民党は、公約で、「地域経済や中小企業の実情、地域間格差に配慮しつつ、年率3%程度引き上げ、全国平均1000円を目指す」とした。公明党は、「年率3%以上引き上げ、2020年代前半には1000円超を目指す」と達成時期を盛り込んだ。

 一方、立憲民主党は、「5年以内に1300円を目指す」との目標を明記した。共産、社民両党は、東京一極集中を是正するためにも最低賃金を全国一律にすべきだと主張し、「1500円への引き上げ」との目標を掲げた。

 最低賃金の引き上げをどう進めるべきか。静岡県立大の中沢秀一准教授は、「最低賃金の引き上げとセットで中小企業の支援策も行わなければ、経済の活性化にはつながらない」と指摘している。

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682005 0 参院選2019 2019/07/10 05:00:00 2019/09/19 15:41:49 鹿児島市内の公共施設で清掃作業をする女性(6月27日午後、鹿児島市内で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/07/20190710-OYT1I50027-T.jpg?type=thumbnail

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