[参院選2019 注目区を行く]<4>公明 菅氏の業界票に活路…兵庫

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 神戸港に臨む神戸市のホテルに2日夜、港湾、建設業関係者らが続々と詰めかけた。3000人収容の大宴会場に入りきらず、約2000人はモニターを設置した別会場に誘導された。

 兵庫選挙区(改選定数3)の公明党公認、高橋光男(42)を「激励する会」。この日の主役は、壇上で大きなバラの胸章を付けた官房長官の菅義偉(70)と公明党の国土交通相、石井啓一(61)だった。

 「私は『令和』を発表させていただきました」

 菅はこう場を盛り上げると、観光政策、地方創生などの実績を並べ、「この最激戦区で高橋さんをお願いしたい」と力説した。

 神戸と同じ港町・横浜の市議だった菅は港湾業界に顔が利き、建設業への影響力も大きい。国交省は両業界を所管するだけに、「菅―石井は最強コンビ」(公明党関係者)で、団体側も声をかけられれば応じざるを得ない。

 高橋の後援会長に就いた日本港運協会会長の久保昌三(76)は、「お世話になっている菅官房長官、石井国交相の気持ちにお応えすべく、後援会長を引き受けさせていただいた」とあいさつした。

 公明党は兵庫を最重点区に位置付ける。県本部幹部は「勝利するには公明の基礎票34万票に、25万票以上の上乗せが必要」とそろばんをはじく。その活路を団体票に見いだし、徹底した地上戦を展開している。

 元来、港湾、建設関係の団体は自民支持だ。元県議の加田裕之(49)を擁立した自民は、「公明が本気で自民の友好団体に手を突っ込んできている」(兵庫県議)と警戒感を隠さない。

 だが、「自公で2議席獲得」との大義の下、党中央主導で進む公明の侵食に、守勢に回っている。菅は高橋の激励会を終えると、加田陣営には寄らずに帰京し、陣営からは「面白くない」と不満が漏れた。

 公明が最も意識しているのが、日本維新の会だ。4月の大阪府知事・市長のダブル選で自公側は完敗し、大阪寄りの地域はその勢いになお押されている。

 公明にとって「維新対策」の秘策は公約のトップに掲げた「議員歳費の10%削減」だ。議員定数や歳費の3割カットを掲げる維新に「抵抗勢力」と批判されないよう、土壇場で盛り込んだ。さらに、高橋陣営は独自に「歳費に必要な経費を20%返上する」と深掘りした。

 これには「本家」も黙っていない。

 「歳費削減法案を何度出しても賛成しなかった党が、選挙間近になって急に『身を切る改革』を訴え始めている。これはおかしい」

 維新の現職、清水貴之(45)が3日、神戸市で開いた決起集会では、16年に兵庫選挙区で当選した参院議員の片山大介(52)が拳を振り上げた。

 清水も2日の公明集会に触れ、「業界団体の5000人が集まったと聞いても怖くない。しがらみや利害関係のない皆さんの応援に自信を得た」と皮肉った。

 かつて改選定数2だった兵庫は長らく自民と民主党が議席を分け合ってきた。だが、13年に民主が維新にその座を奪われると、定数が3に増えた16年も民進党は公明にも敗れ、議席を得られなかった。

 立憲民主党公認の安田真理(41)は、「自民・公明の与党、与党の補完勢力と言われる維新ではなく、立民の力が必要だ」と訴える。ただ、共産党の金田峰生(53)も政権批判票を虎視たんたんと狙う。

(敬称略)

 ■兵庫(改選定数3)

 原  博義 47 諸新

 高橋 光男 42 公新 〈自〉

 安田 真理 41 立新 〈社〉

 加田 裕之 49 自新

 清水 貴之 45 維現《1》

 金田 峰生 53 共新

 (敬称略、届け出順、年齢は投票日現在、〈 〉は推薦・支持政党)

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686988 0 参院選2019 2019/07/12 05:00:00 2019/09/19 15:41:35 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/07/20190711-OYT1I50094-T.jpg?type=thumbnail

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