[参院選2019]立候補者アンケート 外交政策 違い鮮明

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 参院選立候補者を対象にした読売新聞社のアンケート調査では、北朝鮮への対応や北方領土問題などの外交問題でも与野党の主張の違いが浮き彫りになった。野党は今回、すべての「1人区」に統一候補を擁立したが、選挙後の具体的な連携については温度差があることも明らかになった。

対北 自民は「圧力」、立民「対話」

 外交政策では北朝鮮、ロシア、韓国といった懸案を抱える国への対応について各党の姿勢が分かれた。

 安倍首相は北朝鮮の金正恩キムジョンウン朝鮮労働党委員長との首脳会談について、前提条件をつけずに実現を目指す意向を示している。この方針についての賛否を聞いたところ、「賛成」「どちらかといえば賛成」は自民党が88%、公明党が91%に上った。

 野党では、共産党と社民党は全員が賛成する一方、立憲民主党は反対が58%、国民民主党は反対が48%だった。

 北朝鮮に核・ミサイル開発を放棄させるための方法については、経済制裁などの「圧力」を重視した候補は自民69%、日本維新の会で72%だった。「対話」を重視したのは公明81%、立民93%、国民76%だった。

 ロシアとの平和条約交渉について、安倍政権は北方領土のうち歯舞はぼまい群島と色丹しこたん島の2島を日本へ引き渡すことが明記された1956年の「日ソ共同宣言」を基礎に交渉を進める方針だ。

 この方針について、自民78%、公明90%、維新91%が「賛成」「どちらかといえば賛成」と答えた。「反対」「どちらかといえば反対」と答えたのは、立民80%、国民44%、共産は全員だった。

 北方領土返還に向けたロシアとの交渉姿勢を聞いたところ、自民で60%、公明で81%、維新で86%が「2島返還を先に実現し、返還交渉を継続」とした。「4島一括返還」は立民70%、国民40%。自民でも19%が支持した。

 悪化する日韓関係をめぐり、韓国との関係を「強化すべきだ」「どちらかといえば強化すべきだ」という回答は自民で35%にとどまったのに対し、公明は86%に上った。「距離を取るべきだ」「どちらかといえば距離を取るべきだ」は自民22%、維新48%だった。

安定的な皇位継承 自民、集約できず

 安定的な皇位継承策については、自民党内で意見集約が図られていない現状が浮き彫りになった。

 アンケートでは、天皇陛下の即位で皇位を継承できる男性皇族が3人となったことを踏まえ、皇位を安定的に継承させるために制度の見直しが必要かどうかを聞いた。自民は29%が答えなかった。「必要だ」「どちらかといえば必要だ」が58%、「どちらかといえば不要だ」「不要だ」が13%だった。

 皇室典範を改正し、女性天皇を認めるかどうかの質問についても、自民は34%が回答を避けた。「賛成」「どちらかといえば賛成」は36%、「反対」「どちらかといえば反対」は31%だった。

 皇位継承で母方が天皇につながる「女系」の天皇を認めることについての質問でも、自民は40%が無回答で、「賛成」「どちらかといえば賛成」が13%、「反対」「どちらかといえば反対」が47%となった。

 自民党内には、保守派を中心に、女系天皇や女性天皇について「皇室の伝統に反する」と反対する意見が根強い。政府は今年秋以降に、安定的な皇位継承策の検討を始める。

連携先は… 共産 立民・国民に「片思い」

 今回の参院選では「1人区」での野党連携が進んだが、選挙後に連携したいと思う政党を聞いた質問により、野党間の思惑の違いが鮮明になった。

 共産党は全員が連携先として、立憲民主、国民民主両党を挙げた。これに対し、立民で共産を連携相手に選んだのは45%、国民では28%にとどまり、共産による「片思い」が浮き彫りになった。

 立民、国民、共産の野党3党は安全保障関連法の廃止や沖縄県の米軍普天間飛行場の辺野古移設反対、10月に予定される消費税率10%への引き上げへの反対で足並みをそろえている。

 ただ、憲法や日米安全保障条約をめぐっては大きな違いがある。立民の枝野代表は自衛隊を合憲としているが、共産は違憲との立場だ。立民と国民は日米安全保障条約を外交の「基軸」にするとし、「廃棄」を主張する共産と異なる。

 立民と国民の距離は比較的近かった。立民の88%が連携相手に国民を挙げ、国民の60%が立民を挙げた。両党には、旧民主党出身の候補が多く、政策が近いとみられる。

 野党の一部には、自民党への親しみを感じる候補も一定の割合でいた。国民の16%が自民を連携相手に挙げ、野党共闘に距離を置く日本維新の会も43%が自民を選んだ。連立与党を組む自民と公明では、自民の85%、公明は全員がお互いを連携相手に選んだ。

回答分析 改憲 公明やや消極的…久米郁男・早大教授、荒井紀一郎・首都大学東京教授

 選挙戦の争点として取り上げたい問題について、主要7党の候補者を対象に分析した。

 自民党候補の多くが取り上げたいと答えた争点は景気・雇用対策や農業問題といった以前からの経済政策である一方、社民党や共産党の候補は消費税や憲法改正を取り上げたいと答えていることが分かる。

 立憲民主、国民民主両党は、候補によって取り上げたい争点がばらつき、はっきりとした傾向がみられない。日本維新の会の候補は財政再建や行政改革、教育無償化を主要争点として取り上げたいと考えている。

 質問に対する回答をもとにして、各候補の政策的な立ち位置を明らかにするために「因子分析」という統計手法を用いて、五つの対立軸を抽出した。

 図のように、憲法の9条や統治機構に関する条項の改正、防衛費増を志向するかどうかの軸では、憲法改正や防衛費増で自民と維新に前向きな候補が多い一方で、共産、社民の候補の多くが反対している。公明の候補は自民よりも立民や国民の候補の近くに位置しており、どちらかといえば改正には消極的だ。

 中国、ロシア、韓国との関係を強化すべきだと考えるかどうかの軸を見ると、維新の候補がいわゆる「タカ派」で、これらの国々と距離を置くべきだと考えている人が多い。共産、社民の候補の多くは関係を改善すべきだと考えている。自公と立民、国民の候補に大きな違いはない。立民と国民の候補には民主党時代に政権を担った経験のある人がいるため、現実的になっている可能性がある。

 憲法でも、環境権やプライバシーといった人権に関する条項の改正では、所属政党による大きな違いはみられなかった。経済に関しては、憲法や外交に比べると所属政党ごとのまとまりは弱いが、自民、立民、維新が「小さな政府」、共産、社民、公明が「大きな政府」を志向するという傾向が見受けられる。

 「消費増税を予定通り実施すべきだ」と答えた候補は、「公共事業費を増やすべきだ」と答えることが多いという傾向もみられた。

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689246 0 参院選2019 2019/07/13 05:00:00 2019/09/19 15:41:28 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/07/20190712-OYT1I50077-T.jpg?type=thumbnail

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