[参院選2019 注目区を行く]<5>竹下王国 知事選のしこり…鳥取・島根

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 自民党王国・島根が揺れている。

 「島根で知名度がないのが最大の課題だ。どうか一人一人の支援の輪を広げていただきたい」

 国宝・松江城天守が見下ろす島根県庁前で5日、鳥取・島根選挙区の党公認、舞立昇治(43)が出陣式に臨み、約800人を前に声を張り上げた。舞立の後ろ盾で鳥取県連会長の石破茂(62)も駆けつけた。

 舞立は13年参院選で鳥取選挙区から初当選し、前日4日には鳥取で出陣式を行った。ただ、16年から合区で選挙区に含まれた島根には足場がない。浸透するには島根県内の首長や地方議員の協力が不可欠だが、出陣式に知事の丸山達也(49)の姿はなく、党島根県議会議員連盟16人の約半数も出席しなかった。

 4月の島根県知事選が尾を引いているためだ。

 自民党王国を築いた元首相・竹下登の弟で県連会長の竹下亘(72)や元官房長官の青木幹雄(85)は、知事選に元総務官僚の大庭誠司(60)を担ぎ出し、党本部の推薦を得た。

 だが、島根県議の多数派は「東京にいる青木らが上意下達で島根の物事を決定するのは、時代に合わない」と反旗を翻し、元島根県政策企画局長の丸山を支援。44年ぶりに自民が分裂した知事選は、丸山が制した。

 知事選は参院選に飛び火した。知事選では石破も島根に入り、大庭の応援演説に立った。丸山陣営は、昨年9月の党総裁選で青木が石破を後押ししたことへの「恩返しの茶番」と猛反発した。

 「石破さんには『島根・鳥取の関係を考えれば、軽挙妄動を慎んでほしい』と伝えていただきたい」。島根県議会議員連盟会長で丸山を支える五百川純寿(70)は6月25日、県議会にあいさつに訪れた舞立に言い放った。

 分裂状態の島根県連では、五百川らが多数を占める。6月7日の県連常任総務会では、青木に近い県連幹事長の不信任動議が可決された。溝は深まるばかりで、県連に参院選の選挙対策本部すら設置できていない。

 本来なら仲介役として奔走すべき竹下が、食道がんの治療で入院中なのも混迷に拍車をかけている。竹下は6月21日に談話を発表し、「党所属の県議、党員、党友が手を携え合って運動を展開する必要があります」と呼びかけたが、騒動は収まる気配がない。

 丸山に近い島根県議は「舞立に恨みはないが、参院選は休ませてもらう」と吐き捨てる。街頭演説には出向かず、選挙カーにも乗らないつもりだ。

 一方、舞立と戦う無所属の中林佳子(73)は4日、鳥取市での街頭演説で「本当に幅広い方々のお力をお借りしている」と述べ、野党統一候補の立場をアピールした。

 ただ、共産党元衆院議員の経歴から、立憲民主、国民民主両党の地元県連は、鳥取、島根とも「自主投票」にとどめた。自民が分裂しているとは言え、保守層の切り崩しは容易ではない。そのことがまた、自民の亀裂修復を遠のかせている。

 合区後初の16年参院選では、鳥取県連は石破を先頭に青木の長男である一彦(58)を全面支援した。その恩義を感じる一彦は4日、鳥取市内での舞立の出陣式で「恥をかかせないような得票率を目指して戦っていく」とぶち上げた。だが、自民のベテラン島根県議は白け気味にこうこぼす。

 「竹下王国が崩れ落ちるときが来ている」(敬称略)

■鳥取・島根(改選定数1)

舞立 昇治 43 自現《1》〈公〉

中林 佳子 73 無新 〈共〉

黒瀬 信明 34 諸新

(敬称略、届け出順、年齢は投票日現在、〈〉は推薦・支持政党)

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689342 0 参院選2019 2019/07/13 05:00:00 2019/09/19 15:41:29 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/07/20190712-OYT1I50102-T.jpg?type=thumbnail

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