[政策分析 参院選2019]<8>大学無償化…学費減免「所得」「財源」で攻防

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 東京都新宿区にあるビルの一室で今月7日午後、6人の高校3年生が机に向かっていた。経済的な理由で塾に通えない生徒を対象にしたNPO法人「キッズドア」(東京)の無料学習会で、ボランティアの大学生らが指導している。

 中2の頃から通う都立高3年の男子生徒(18)は最近、自分が高等教育無償化の対象に含まれると知り、胸をなで下ろした。両親と兄の4人暮らし。毎月数万円のアルバイト代を、昼食や部活に充ててきた。

 国立大に合格して、貧困や教育格差について学ぶのが目標だ。「親に負担をかけたくないが、奨学金という借金を抱えるのも不安だった。心配ごとが減って勉強に集中できる」と話す。

 経済的に恵まれない家庭では、進学を巡り親子で意識の差がある。同法人が2017~18年、学習会に通う中学生と保護者354人に、希望する自分や子供の最終学歴を聞いたところ、最も多い回答が中学生は「大卒」の38%だったが、保護者は「高卒」で39%だった。学費負担の懸念から差がついたとみられるが、渡辺由美子理事長は「無償化で、誰にでも進学の道が開ける」と期待する。

     ◇

 大学など高等教育機関への進学率は、全世帯平均の8割に対し、世帯年収270万円未満の住民税非課税世帯では4割程度にとどまる。経済的理由で進学を諦める人をなくすことが、無償化の狙いだ。

 ただ、支援を満額受けられるのは住民税非課税世帯に限られ、年収約270万~約300万円の支援額は3分の2、約300万~約380万円は3分の1になる。これを超えると、支援は貸与型奨学金のみとなる。

 財源は消費税率10%への引き上げによる増収分だ。自民党は公約で「真に支援が必要な低所得家庭」を対象にするとし、公明党は、「教育費の負担軽減を推進する」とした。支援対象は低所得世帯に限るが、計7600億円が投入される。

 野党は、支援対象を限定することを批判してきた。

 立憲民主、国民民主、共産、社民の4党は、給付型や無利子の奨学金拡充を主張。学費については、立憲民主党が国公立大の授業料の半額程度への引き下げ、国民民主党と共産党、社民党は大学などの将来の無償化を掲げた。日本維新の会は、高校までを含めた教育の完全無償化を訴える。

 このほか、高校の就学支援について、自民、公明両党は、年収590万円未満の世帯の私立高校授業料を20年度から実質無償化すると明記した。これに対し、野党は所得制限の撤廃で一致。文部科学省などの試算では、対象を590万円未満世帯に限る場合は約4400億円かかり、所得制限をなくすと約6600億円になるという。

 立憲民主、国民民主、共産、社民4党は、義務教育の給食費無償化も訴える。現在の給食費の総額は約4400億円で、無償化には新たな財源が必要となる。

 ◆高等教育無償化=2020年4月から、低所得世帯の学生に大学や短大、専門学校などの授業料と入学金を減免し、返済不要の給付型奨学金を支給する制度。対象は約75万人で、支援が最も手厚い自宅外から通う私立大生の場合、年間で授業料70万円が減免され、90万9600円の奨学金が給付される。

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693941 0 参院選2019 2019/07/17 05:00:00 2019/09/19 15:41:10 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/07/20190717-OYT1I50021-T.jpg?type=thumbnail

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