[参院選2019 注目区を行く]<8>与野党 戦略様変わり…沖縄

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 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設が争点の一つとなる沖縄選挙区。事実上の与野党対決の構図は2016年参院選と不変だが、ともに戦略は様変わりしている。

 「右とか左とか、イデオロギー闘争はもう終わり。沖縄の政治を前に進めていく決意です」

 自民党公認で新人の安里繁信(49)は10日、那覇市の県立武道館で力を込めた。会場前方は、安里のキャッチフレーズ「オキナワプライド」の文字と安里の似顔絵をあしらった紺色のTシャツを着た若者が陣取った。

 日本青年会議所元会頭の安里は、若手経営者に人脈を持ち、若年層や無党派層への浸透に注力している。8日には那覇市のタコス店で大学生と昼食会を開いた。

 狙いは、組織力に頼った従来の自民候補のイメージを打ち破ることだ。自民は近年、沖縄での大型選挙に国会議員や秘書を大量に送り込んだものの連敗。陣営幹部は「『沖縄カラー』を前面に出す。敗戦から得た教訓だ」と語る。

 昨年の県知事選では、官房長官の菅義偉(70)や衆院議員の小泉進次郎(38)ら著名な弁士が連日のように沖縄に入ったが、今回はほとんどない。14日に元経済産業相の小渕優子(45)が沖縄入りした際も、安里は一緒に街頭に立たなかった。

 辺野古移設を巡っても県連の方針とは一線を画す。「容認」を打ち出している県連は、安里にも踏襲するよう求めたが、安里は6月22日の政策発表の席上、「口が裂けても容認とは言えない。厳しい現状を(政府に)伝える」と述べた。

       ◇

 「ヌチどぅ宝(命こそ宝)、島人シマンチュぬ宝(島の人の宝)。沖縄のために安倍政権の辺野古の工事強行を許さない」

 12日夕、那覇市内の交差点で、野党統一候補の高良鉄美(65)はウチナーグチ(沖縄の言葉)を織り交ぜながら声を張り上げた。

 ウチナーグチは、前知事の翁長雄志おながたけし(死去)が初当選した14年以降、保守系の一部と革新系からなる「オール沖縄」勢力が公の場で積極的に用いてきた。国政政党の色は薄めて「沖縄色」を打ち出し、「政府」対「沖縄」の構図を演出するためだ。

 だが、今回は様相が異なる。

 梅雨明けの炎天下となった1日昼。那覇市の県庁前での演説会に臨んだ高良の隣には、かりゆしウェアに身を包んだ立憲民主党代表の枝野幸男(55)、国民民主党代表の玉木雄一郎(50)、共産党委員長の志位和夫(64)が並んだ。

 「野党共闘の発祥の地は沖縄だ」(志位)などと、3人は次々と野党連携の重要性を口にした。昨年の知事選で、野党は共闘して玉城デニー(59)を当選に導いた。「野党共闘を強調するには沖縄はうってつけの土地」(国民幹部)だ。

 その副作用もある。

 オール沖縄は自民党県連幹事長も務めた翁長を中心に、保守から革新まで幅広い勢力が結集して誕生した。だが、18年8月に翁長が亡くなって以降、一部の保守系は野党色を強めるオール沖縄と距離を置いている。

 「日米安全保障条約は破棄すべきだ」

 高良は6月29日の政策発表の記者会見でこう明言し、自衛隊も「違憲」と指摘した。終了後、沖縄社会大衆党の県議に「表現を和らげた方がいい」と耳打ちされ、高良は「『安保破棄』は将来的な話。きちんと考えていきたいということだ」と付言した。

 「保革相乗りのオール沖縄は野党共闘に変わった。高良陣営は革新色が強すぎる」。保守系の陣営幹部は不満を漏らす。

 それぞれの戦略は吉と出るか、凶と出るか。(敬称略)

■沖縄(改選定数1)

安里 繁信 49 自新 〈公〉

高良 鉄美 65 無新

磯山 秀夫 72 諸新

玉利 朝輝 60 無新

(敬称略、届け出順、年齢は投票日現在、〈〉は推薦・支持政党)

無断転載禁止
695852 0 参院選2019 2019/07/18 05:00:00 2019/09/19 15:41:04 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/07/20190717-OYT1I50089-T.jpg?type=thumbnail

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