「6連勝」に待ち受ける道…政治部長 伊藤俊行

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 衆参同日選論の反動か、統一地方選の疲れか、令和最初の参院選は冷夏のように熱気を欠いた。国政選を給油所に例えれば、安倍首相は当面、安定走行が可能な燃料補給をできたといったところだろう。

 もちろん、同じ数字も、立場で見え方が違う。

 自民党は公明党との合計で改選定数の過半数を獲得する一方、6年前からは減らした。前者を強調すれば、安倍首相は自民党総裁として前例なき「国政選6連勝」を達成したと見え、後者に力点を置けば、政権に注文が付いたと映る。

 参院選には、政権の「中間評価」の意味合いもある。

 2017年衆院選後の働きを含め、「6連勝」中の自民党の比例選の得票率はずっと3割程度で、評価は安定している。簡単に取れない及第点の数字ではあっても、Aプラスではない。しかし、野党が割れている限り、3割の政党を脅かせない現実がある。諸派の健闘ぶりも、既存野党が政権批判の受け皿として物足りないという有権者の気持ちの反映だろう。今の野党にできるのは、7割近い異論の存在を政権に思い起こさせ、丁寧な運転を促すことしかない。

 政権奪還から6年7か月での「6連勝」は、選挙の多さの裏返しでもある。

 戦後、G7(先進7か国)の国政選は、上院(参院)も全員を直接選挙で選ぶ日米以外は20回程度で、米国も同日選を1回とすれば37回。今回が50回目の日本は突出している。頻繁に審判を受ける事実は重いが、選挙に勝ちさえすればいいとの発想が政策をゆがめないよう、注意が要る。低投票率が「政治不信」の表れであれば、なおさらだ。

 今後の難敵は、長期政権ゆえの燃費の低下だ。憲法改正をはじめ、やり残した仕事を仕上げようと無理に飛ばせばガス欠になる。公明党のブレーキも、燃費にはマイナスだ。次の給油はタイミングが難しく、運転手の交代も視野に入る。

 「6連勝」の先に延びるのは、より高い運転技術が求められる悪路であるのかもしれない。

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701946 0 参院選2019 2019/07/22 05:00:00 2019/09/19 15:46:13

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