参院選「非拘束名簿」「特定枠」…比例選の仕組みを知ろう

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 参院選には、選挙区選と比例選の二つの区分があります。比例選では「非拘束名簿式」という仕組みを採用しています。見るからに難しそうな言葉ですね。順を追って確認していきましょう。(デジタル編集部・荒谷康平)

 参院の総定数は選挙区148と比例100の計248ですが、3年ごとに半分を入れ替えます。今年は「248の半分=124」と、非改選の神奈川選挙区の欠員1を補う「合併選挙」を加えた125議席を争うことになります。

 このうち、選挙区選で改選されるのは74、比例選で改選されるのは50です。選挙区選は都道府県単位で実施されますが、2016年の参院選から人口の少ない鳥取県と島根県は2県で一つの選挙区に「合区」されました。徳島県と高知県も同様に合区されました。

優先順位を撤廃、「顔の見える選挙」へ

 選挙区選の仕組みが分かったところで、比例選に移りましょう。有権者は参院選の比例選で投票する際、政党名か、政党の比例選候補者名簿に載っている候補者名のどちらかを投票用紙に記入して投票します。各政党の当選人の数は、書かれた候補者名の数と政党名の数の合計数に応じて50議席から割り振られるのです。

 参院選の比例選候補者名簿は、当選人の優先順位が決まっていない「非拘束名簿」になっています。分かりやすいように、先に「拘束名簿」から見ていきましょう。拘束名簿とは、「名簿に載っている候補者の誰が優先して当選するか」があらかじめ決まっている名簿のことです。つまり、「最優先はA候補、次はB候補、その次がC候補、その次がD候補…」と、当選の優先順位を政党が先に決めておき、当選人が仮に3人と決まったら、優先順位が4番目のD候補は落選することになります。この拘束名簿を使う選挙方式が拘束名簿式で、衆院選の比例選で採用されています。

 非拘束名簿は優先順位が決まっていない代わりに、投票用紙に個人名が書かれた数の多さで当選者を決めます。仮に当選人が3人なら、投票用紙に自身の名前を書かれた数のトップ3が当選することになります。この、非拘束名簿を使う選挙方式を、非拘束名簿式と呼びます。

 今でこそ非拘束名簿式を採用している参院選比例選ですが、実は1998年の選挙までは拘束名簿式を採用していました。しかし、拘束名簿式には有権者からすると「当選してほしい候補者に投票できない」という欠点があります。「顔が見える選挙」のほうが有権者の関心が高まるとの考えもあり、非拘束名簿式に変わったのです。

 ただ、名前が多く書かれた候補者から当選する非拘束名簿式には、知名度のあるタレント候補や、組織票を持つ業界団体や労働組合出身の「組織内候補」が上位当選しやすい傾向もあります。逆に言えば、知名度の低い候補者や、強力な組織票を持たない候補にとっては、当選のハードルが高くなってしまう難しさもあります。

特定枠は「合区」の救済策の意味合いも

 この非拘束名簿式に、前回の参院選(2019年)から「特定枠」という新たな仕組みが導入されました。簡単に言うと、非拘束名簿の一部に特定枠という拘束名簿を組み入れたのです。政党が特定枠と決めた候補者は、枠外の候補に優先して当選します。

 この制度を考えたのは自民党で、背景には選挙区選のところで触れた「鳥取・島根」「徳島・高知」の合区を導入したことがあります。合区されると「2県で1人」しか選挙区戦から出馬できないため、比例選に回った候補を救済する狙いが当時の自民党にあったのでした。

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3031800 0 参院選 2022/05/27 05:00:00 2022/06/09 14:25:32 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/05/saninsenwoshiru_shikumi_ogp.jpg?type=thumbnail

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