[スキャナー]参院選1人区へ準備…自民は支持堅調に期待感、野党の選挙協力は限定的

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 6月22日公示、7月10日投開票の日程が想定される参院選は、岸田内閣が安定政権を築けるかどうかの試金石となる。公示まで1か月となり、与野党は勝敗のカギを握る改選定数1の「1人区」を中心に準備を急ぐが、ともに課題を抱えている。(政治部 鷹尾洋樹、阿部雄太)

[党首走る]「聞く力」を「実行力」に…自民・岸田総裁(64)

楽観視

自民党の会合に出席した岸田首相(右)(21日午後、大阪市天王寺区で)
自民党の会合に出席した岸田首相(右)(21日午後、大阪市天王寺区で)

 「参院選でしっかりとした政治の安定をいただき、歴史を画するような課題に堂々と立ち向かっていかなければならない」

 岸田首相(自民党総裁)は21日、大阪市内で開かれた党関連の会合で、参院選で再選を目指す現職らを前に力を込めた。自民は32の「1人区」のうち、31選挙区で候補者を決定。国民民主党への配慮から擁立見送りを検討した山形選挙区でも、擁立する方向だ。

 読売新聞社が13~15日に実施した全国世論調査では、岸田内閣の支持率は63%と高い水準を維持している。党独自の情勢調査でも、勝利した2019年の前回選を上回る結果が出ており、党内では「このままいけば負けることはない」と楽観的な見方が広がる。

 政策面で連携を強める国民や国民を支持する連合への接近も功を奏している。遠藤利明・選挙対策委員長は「地域によっては一部の労働組合が非常に自民に好意的だ」と手応えを語る。

 党は1人区の獲得目標を「少なくとも20勝」(幹部)と位置付け。近年の参院選で苦戦が続く東北地方や沖縄などの10選挙区前後を重点区に指定し、幹部らを積極的に投入する方針だ。

 首相は23日の日米首脳会談など外交面で成果をアピールした上で、原油価格や物価の高騰に対処する22年度補正予算を月内に成立させ、参院選に突入する戦略を描く。選挙戦では、ロシアによるウクライナ侵攻などを踏まえ、現実的な安全保障政策を訴え、支持を広げたい考えだ。

公明の推薦

 懸念材料もある。連立を組む公明党からの推薦の遅れだ。選挙協力の対象となる38選挙区のうち、公明が自民の候補者に推薦を決めたのは半数の19選挙区にとどまる。16、19年の参院選では、両党本部の主導で推薦を決めたが、今回は地方組織ごとに協議を委ねたため進展に差が出ている。

 公明は参院選比例選で、前回選を約150万票上回る800万票の目標を掲げており、後援会の名簿を求めるなど各地で自民側への要求を強めている。公明幹部は「5月中に残りの大半で推薦が出るだろう」との見通しを示すが、一部の選挙区では協議が難航し推薦から漏れる可能性もある。

 過去には首相の発言をきっかけに流れが変わったケースもある。1998年の参院選では、恒久減税を巡る橋本竜太郎首相の発言が二転三転し、惨敗につながったとされる。新型コロナウイルスの感染状況も予断は許さず、党幹部は「党内に油断が広がると危ない」と警戒を強める。

一本化

 立憲民主党の泉代表は21日、奈良県橿原市で街頭演説し、「自民党は国家目線の安全保障だ。私たちは皆さんの命を守る政策を最優先に考えていく」と述べ、参院選向けに打ち出した「生活安全保障」というスローガンを繰り返した。

 今回、野党の選挙協力は限定的となる見通しだ。過去2回の参院選では全ての1人区で野党候補を一本化し、事実上の与野党一騎打ちの構図に持ち込んだ。16年には11勝、19年も10勝を挙げた。

 現時点で野党系候補が1人だけの1人区は、32のうち11にとどまる。泉氏はこの日、「党本部レベルで野党の議席を1個でも増やす可能性を最大限追求していく」と語ったが、候補一本化が進むメドは立っていない。

 協力に影を落としているのが昨年の衆院選だ。立民は国家観や安全保障など基本政策が異なる共産党を含めた「野党共闘」を進めた結果、惨敗した。衆院選後に「限定的な閣外協力」という共産との合意を棚上げしたため、反発した共産は20以上の1人区に候補を擁立している。

深まる溝

 国民民主党が、政府の予算案に賛成するなど与党寄りの姿勢を強めたことも、影響を与えた。立民と国民の溝は深まり、両党が候補一本化したのは福島、三重など6選挙区。国民は比例票の上積みを狙い、積極的に候補擁立を進めている。

 足並みがそろわない野党の象徴的な例が、国民の玉木代表のお膝元、香川選挙区だ。改選定数の1議席を巡って、立民、日本維新の会、共産、国民の野党4党などが乱立している。

 野党内では、昨年の衆院選で伸長した維新が、参院選でも政権批判票の受け皿となることへの警戒感が強まっている。21日には泉、玉木両氏がそれぞれ維新の「本拠地」大阪に入り、テコ入れを図った。

 国会では25日から補正予算案の審議が始まる見通し。6月15日の会期末が迫る中、野党各党は衆参両院の予算委員会で首相を追及し、見せ場を作りたい考えだ。

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3019889 0 参院選 2022/05/22 05:00:00 2022/06/12 10:22:18 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/05/20220521-OYT1I50127-T.jpg?type=thumbnail

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