企業の休廃業・解散「4万4377件」 事業承継の環境整備を…数字で見る参院選2022

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M&A仲介会社「バトンズ」CEO 神瀬悠一さん(44)

M&A仲介会社「バトンズ」CEOの神瀬悠一さん
M&A仲介会社「バトンズ」CEOの神瀬悠一さん

 経営者が70歳以上なのに、後継者がいない中小企業は2025年に127万社に上る――。こんな推計を中小企業庁が公表しています。放置すれば廃業が急増しかねず、後継者不足は、日本経済の活力を奪いかねない深刻な問題と言えます。

 かつては親から子へ経営のバトンを渡すのが一般的でした。しかし、企業の合併・買収(M&A)を仲介する仕事をしていると、相談に来る顧客の6割が、後継者がいないため、廃業する前に誰かに事業を譲渡したい、と言います。

 顧客の中に、広島県尾道市で創業90年の小さな飲料メーカーを営む老夫婦がいました。一本一本手作りのサイダーは昭和のレトロ感が評判となり、「幻の逸品」を求めて観光客がわざわざ足を運ぶほどでした。しかし、夫婦はともに80歳近く、後継ぎがいません。「なくなるのはもったいない」と考えた県内の地方公務員が職を辞して、事業を引き継いでくれました。

 規模が小さくても、多くの人たちに愛されたり、唯一無二の技術を持っていたりする企業は少なくありません。しかし廃業すれば従業員は職を失い、地域の魅力もなくなってしまう。地元に働き口がなければ、若い人は都会に流れ、さらに地域が寂れるという悪循環に陥ります。

 買収後の経営計画を綿密に練っていても、買収側の事業規模が小さいとの理由で金融機関から融資を拒まれるなど、M&Aのハードルはまだ高い。魅力ある中小企業が生き残れるよう、政治には事業承継の促進につながるような環境整備に取り組んでほしいと思います。(聞き手・中村俊平)

後継不在 58%

 民間調査会社・東京商工リサーチの調べによると、昨年の企業の休廃業・解散件数は4万4377件に上る。前年より1割ほど減ったが、2000年の調査開始以降、3番目の高水準だ。同社は、コロナ禍で経営の見通しが不透明になったことが休廃業へとつながったとみている。

 休廃業した企業の社長を年代別でみると、「60歳代」23.31%、「70歳代」42.68%、「80歳代以上」20.03%で、60歳代以上で8割を超えた。同社が全国約17万社の経営者に尋ねた別の調査では、後継者不在率は前年比1.1ポイント増の58.62%に上るといい、経営者の高齢化と後継者不足が廃業増加の要因になっている現状が浮かぶ。

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3117753 0 参院選 2022/06/27 15:00:00 2022/06/27 15:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/06/20220627-OYT1I50066-T.jpg?type=thumbnail

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