[不測の時代に 22参院選]<4>観光地 受け入れ危惧…レンタカー不足 「民泊」住宅減

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コロナ下1600台減

 那覇空港から車で15分。「沖縄ツーリスト」のレンタカー予約センター(沖縄県 豊見城とみぐすく 市)では今月16日、観光客などからひっきりなしにかかる予約依頼の電話対応に追われていた。

 「予約がいっぱいで1台もありません」

 同社の7、8月の予約はほぼ埋まり、キャンセル待ちは100件を超えた。予約課長の大城伸二さん(44)は「お客様の要望に応えたいが、車不足でどうしようもない」と悔しがった。

沖縄ツーリストのレンタカー置き場。かつては車がびっしりと並んでいた(16日、沖縄県豊見城市で)
沖縄ツーリストのレンタカー置き場。かつては車がびっしりと並んでいた(16日、沖縄県豊見城市で)

 同社はコロナ禍前、レンタカー約2200台を保有し、連日フル稼働していた。だが、コロナ禍で収入が激減、月5000万円の維持費削減のため、約600台まで減らした。この夏に備えて車を発注したが、世界的な半導体不足で生産が滞り、納車が遅れている。

 沖縄県レンタカー協会によると、会員約40社の5月の保有台数は2019年同月比で66%の1万6576台。経営体力が弱まり、新たな発注に踏み切れない事業者は多い。レンタカー不足の影響で客が旅行自体をキャンセルするケースも相次ぐ。

 沖縄にとって、コロナ禍を受けた行動制限がない夏は、3年ぶりだ。同協会の白石武博会長は「レンタカー不足は観光全体に影響が出るが、放置されている」と訴える。

 政府の「観光立国」推進を背景に日本を訪れる外国人旅行者数は飛躍的に伸び、12年の836万人から、19年には3188万人にまで拡大した。しかし、コロナ禍で急減し、21年には25万人まで落ち込んだ。

 それだけに、新型コロナの水際対策として停止していた外国人客の受け入れ手続きが今月10日に再開すると、円安も追い風になって、観光需要の急回復に期待が高まっている。政府は、都道府県で実施している旅行の割引キャンペーン(県民割)への財政支援を7月にも拡大するなどして、国内客の需要も喚起し、観光業の回復を図る。

貯蓄取り崩し

 ただ、事業者はこうした状況を手放しで喜んでいるわけではない。再開した外国人客の受け入れ手続きは当面、添乗員付きのパッケージツアー客に限定されるからだ。

 東京都台東区でゲストハウスを営む柚木理雄さん(38)は、5年前に築40年超の空き家をゲストハウスに改修した。浅草や日本橋に近い立地や交通の便の良さが人気を集め、ピーク時の19年には延べ約3000人が利用した。

 ところが、コロナ禍で経営は暗転。20年3月の売り上げはゼロとなった。

 都内のゲストハウスを含む簡易宿所は22年3月時点で1255軒で、20年同月比で133軒減っている。柚木さんは「個人客が中心のゲストハウスへの恩恵はないだろう」とつぶやいた。

 この6月で解禁から4年となった「民泊」も、同様に苦境が続く。観光庁によると、民泊の届け出住宅数は20年4月で2万1385件だったが、コロナ禍の影響で減少に転じ、22年6月14日時点で1万8056件となっている。

 埼玉県秩父市の民泊「ちちぶホステル」は1日最大で11人が宿泊できるが、利用者の約3割を占めた外国人客がコロナ禍で途絶えた。突然の経営環境の悪化で、管理人の梅沢修さん(46)は貯蓄を取り崩しながら営業を続けている。

 感染が落ちついた今春から経営は好転したが、まだ国内客が中心だ。梅沢さんは「再び感染が広がれば、経営が困難になる可能性もある」と懸念した。

 立教大の東徹教授(観光マーケティング)は「観光という産業は旅行・宿泊業だけでなく、レンタカーなどの交通業をはじめ、様々な業種から成り立っている。幅広い業界を網羅する、きめ細かな支援策が必要だ」と指摘している。

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3125796 0 参院選 2022/06/30 05:00:00 2022/06/30 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/06/20220630-OYT1I50029-T.jpg?type=thumbnail

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