2019年の投票率「48・80%」…低迷脱却へ柔軟な選挙制度設計を

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数字で見る参院選2022

大阪大(政治学)松林哲也教授(45)

 国政選挙の投票率は減少傾向が続いています。参院選では、1992年にその前回から15ポイント近く急減し、95年には史上最低を記録しました。

大阪大・松林哲也教授
大阪大・松林哲也教授

 投票することは、多様な意見を政治に反映させるためにとても重要です。選挙は民主主義の根幹を成すもので、投票の権利を保障し、権利を行使する環境を作ることは政府の責任です。実際に、投票率を上げようと啓発活動を行ったり、新しい制度を導入したりしています。

 2003年施行の改正公職選挙法で、現在の期日前投票制度が導入されました。19年の前回参院選では、投票者の33%にあたる約1700万人が利用しました。

 09~14年の衆院選で837市区町村について分析した結果、期日前投票所数が1万人あたり1か所増えると、投票率が0・5ポイント上がる可能性があることが分かりました。投票所を商業施設に開設するなどの工夫もみられます。

 一方で、人口減少などから当日投票所が統廃合され、投票時間も短縮される傾向にあります。期日前投票で利便性を高めても、ほかのマイナス要因が投票率を押し下げている可能性があります。

 公職選挙法は投票所での当日投票が前提とされており、制約も多いのです。遠方に住む人が利用する不在者投票の手続きを簡略化するなど、投票制度を変える必要があると考えています。

 世界的に見て、日本の選挙期間が短いことも課題です。有権者が候補者や政党を比較し、検討する時間がもっと必要です。時代に応じて選挙制度を柔軟に設計することが、投票率アップにつながるのではないでしょうか。(聞き手・瀬戸聡仁)

低い関心、アメリカやフランスでも低迷

 参院選の投票率は1980年代までは60%を超える年が大半だったが、95年に初めて50%を割って、史上最低の44.52%に落ち込んだ。その後はわずかに回復して50%台が続いたが、前回の2019年には48.80%に下がった。

 公益財団法人「明るい選挙推進協会」が同年に、3150人の有権者に行った調査で、投票しなかった人にその理由を複数回答で尋ねると、「選挙にあまり関心がなかったから」が最も多い30.9%を占めた。次いで「政党の政策や候補者の人物像など、違いがよくわからなかったから」の23.7%などが続いた。

 投票率の低迷は他の先進国にもみられる。国立国会図書館のまとめなどによると、米国の下院選は中間選挙で30~40%台が続き、今年6月のフランス下院選は第1回投票、決選投票のいずれも50%を割った。一方、イギリス下院選は60%台後半、ドイツ下院選は70%台と比較的高い投票率を維持している。

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3134008 0 参院選 2022/07/02 18:31:00 2022/07/02 19:19:23 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/07/20220702-OYT1I50102-T.jpg?type=thumbnail

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