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大型選挙などで恒例だった大阪・ミナミの玄関口である南海難波駅(大阪市中央区)前での選挙カーを使った街頭演説が、今回の参院選で見納めとなりそうだ。車道のある駅北側を常設の歩行者天国にする計画が年度内に動き出すためで、候補者や各党幹部が70年以上、買い物客らにその時々の政策課題を訴えてきた名所だけに、各党は熱を帯びた「最後の演説」を繰り広げている。(三歩一真希)

「大阪を元気にするために力を貸してほしい」
大阪選挙区(改選定数4)に立候補した新人は6月30日、難波駅前に止めた選挙カーの上で、360度見渡しながら聴衆に呼び掛けた。終了後、「老若男女がいて、ほかの場所より立ち止まってじっくり聞いてくれる割合が高い。気持ちよく演説できた」と振り返った。

難波駅前では、6月22日の公示から今月1日までに大阪選挙区の政党の公認候補12人のうち、少なくとも7人が演説した。公示日は午前10時からの2時間の間に5陣営が集まり、別の日には他陣営と時間帯が重なり、急きょ予定を取りやめた候補者もいた。
各党党首の大阪の遊説先にも選ばれており、1日までに立憲民主党の泉代表、日本維新の会の松井代表、共産党の志位委員長、国民民主党の玉木代表が熱弁を振るい、2日夕には自民党総裁の岸田首相もマイクを握る予定だ。
人気の要因は立地の良さだ。難波エリアには、南海、大阪メトロ、JR、阪神、近鉄の計5社の路線が走っており、1日の乗降客数は約90万人。買い物に訪れた若者や無党派層が比較的多いとされ、幅広い層に支持を訴えることができる。