投開票まであと5日…注目の9選挙区の中盤情勢を探る

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 読売新聞社は今月1~3日、参院選に関する全国世論調査を実施しました。今回の動画は、注目選挙区の中盤情勢がテーマです。ベテラン政治記者・吉田清久編集委員と吉田典之編集委員が、与野党が激突する1人区や、有力候補が乱立して激しいつばぜり合いを演じている都市部の複数人区など計9選挙区をピックアップして分析しました。5日後に迫った投開票の前にぜひ一度、視聴してみてください。ここでは、動画のエッセンスをご紹介します。(デジタル編集部・森山雄太)

参院選 全選挙区の中盤情勢…読売新聞調査

【動画】<上>岩手・山形・東京

 岩手選挙区では、自民党新人の広瀬めぐみ氏が、立憲民主党現職の木戸口英司氏と激しく競り合っています。岩手選挙区は言わずと知れた立民の小沢一郎衆院議員の地元です。自民党は同選挙区で1992年参院選以降、議席を獲得できていませんが、今回は広瀬氏が横一線の戦いを演じており、議席を獲得すれば30年ぶりになります。立民の勢いが落ちているとも分析できますが、いわゆる「小沢王国」の弱体化も指摘されています。

 与野党の政界再編の中心に長年君臨してきた小沢氏自身も80歳と高齢になり、網の目のように張り巡らせた後援会組織の高齢化も指摘されています。実際、小沢氏は昨年の衆院選の小選挙区で比例復活の憂き目にあいました。自民党が「小沢王国」で勝利を収められるか最後まで目が離せません。

 山形選挙区では、国民民主党現職の舟山康江氏が、自民党新人の大内理加氏と互角の戦いとなっています。本来、農業県の山形は自民党の地盤の強い地域でしたが、近年は舟山氏や吉村美栄子知事など、非自民党系の有力政治家が一定の勢力を維持してます。前回2019年参院選でも、野党統一候補の新人が自民党現職を退け、今回も与野党が一進一退の攻防を演じています。

 今回、国政レベルで国民との連携を深める自民は、党本部主導で候補を出さないことも検討しました。ところが、党県連が強く反対したことで、一転して大内氏の擁立が決まった経緯があります。大内氏の擁立が決まったのは5月で、自民党としては出遅れが否めません。

 一方、舟山氏にも不安要素があります。国民が与党への傾斜を強めたことで、政権批判票を十分に取り込めないのではないかとの見方もあるからです。今回も野党側と大接戦のまま終盤にもつれ込む展開が予想されます。

 定数6と全国で最も多い東京選挙区では、自民党現職の朝日健太郎氏が頭一つ抜け出し、次に立憲民主党現職の蓮舫氏、公明党現職の竹谷とし子氏、自民党新人で俳優の生稲晃子氏がほぼ横一線で並んでいます。残る2議席を巡って、共産党現職の山添拓氏と日本維新の会新人の海老沢由紀氏、れいわ新選組代表の山本太郎氏と、立民2人目の候補で新人の松尾明弘氏がデッドヒートを繰り広げています。立民は2議席を目指すには、知名度の高い蓮舫氏から松尾氏にどう組織票を振り分けていくか、終盤の最も大きな課題になります。

 2019年に同選挙区で初めて議席を得た維新も、海老沢氏が定数6に滑り込めるかどうかが、全国政党へと脱皮できるかどうかの指標になります。また、小池都知事の秘書も務めた「ファーストの会」代表の荒木千陽氏がどこまで票を獲得できるかにも注目です。今後、国政への再転身もささやかれる小池氏の今後の動向にも関わってくるからです。

【動画】<中>神奈川・山梨・京都

 神奈川選挙区は、改選定数4に加えて、非改選の欠員1を合わせて選ぶため計5議席を争います。そのため、主要政党の候補が乱立する混戦模様になっています。自民党現職の三原じゅん子氏が一歩リードし、自民党元職の浅尾慶一郎氏と日本維新の会元職の松沢成文氏が追いかけます。残る2議席を巡っては、公明党現職の三浦信祐氏と共産党新人の浅賀由香氏、立憲民主党の新人2人、水野素子氏と寺崎雄介氏が追いかける展開になっています。

 5位になる候補は、当選は当選ですが、上位4人とは条件が違います。5位は非改選の欠員の1枠です。その残り任期は3年後の2025年までで、上位4人の2028年の約半分です。非改選の現職がいる自民、公明、立民は、仮に5位当選の候補がいると、今回の当選者と現職の間で3年後の参院選で公認を巡る調整が必要になることも想定されます。それだけに各党の狙いは「4位以内」に入ることなのです。現時点で当選圏内が見えていない立民は、共倒れを避けるため最終盤に1人に票を集める戦略もあり得るとの見方もあります。ただ、候補2人がしのぎを削る中、現実的に方向転換できるかは不透明です。

 山梨選挙区も激戦で、自民党新人の永井学氏が立憲民主党現職の宮沢由佳氏と横一線になっています。旧民主党の地盤が強い地域は労組が強かったり、大物議員の地元など、例えば北海道、長野、愛知といくつか挙げられますが、山梨もその1つと言えます。山梨選挙区の議席は、民主党時代に幹事長や参院副議長を務めた輿石東氏から後継指名を受けた宮沢氏が2016年に初当選して受け継ぎました。泉代表も公示後、山梨入りして陣営を鼓舞するなど党が重視している姿勢は明白です。山梨選挙区は立民にとって絶対に落とせない選挙区なのです。これから相当なてこ入れが入ることが予想され、全国的に見ても、最終盤まで予断を許さない選挙区になっています。

 関西以西に目を向けると、京都選挙区は定数2に対して、自民党新人の吉井章氏と立憲民主党で幹事長も務めた現職の福山哲郎氏、日本維新の会新人の楠井祐子氏が横一線で並んでいます。京都は構図が特異で、立民と同じく旧民主党を源流とする国民民主党が維新の楠井氏を推薦しています。国民が維新候補を推薦したのは全国で唯一京都だけです。自民、立民、維新に国民が絡んで構図が複雑化しています。京都が地元の国民の前原誠司・元外相は楠井氏を全面支援し、自身の後援会組織も全面投入するほどの力の入れようです。旧民主党時代は距離も近かった福山氏と前原氏との戦いという点も耳目を集めています。三つ巴となっている京都選挙区の結果が注目されます。

【動画】<下>大阪・大分・沖縄

 改選定数4の大阪選挙区では、日本維新の会現職の浅田均氏と自民現職で前回トップ当選の松川るい氏がリードしており、維新現職の高木佳保里氏が追いかけています。地元・大阪で現職2人の当選圏内が見えつつある維新が地力を見せつけていると言えます。そして、残る1議席を巡る争いがし烈を極めています。公明党現職の石川博崇氏、共産党元職の辰巳孝太郎氏と立憲民主党新人の石田敏高氏が猛烈に追い上げています。特に、公明にとって大阪での議席確保は至上命題です。党内には「常勝関西」というキャッチフレーズもあり、大阪選挙区での議席を落とすとなれば衝撃が走ることは必至です。ですので、公明にとっては、終盤に向けての最重点区となりそうです。共産も前回2019年参院選では、辰巳氏は次点に泣いているので、何とか議席をつかみとりたいところでしょう。

 数少ない国民民主党現職が戦う大分選挙区では、自民党新人の古庄玄知氏と国民の足立信也氏が横一線の戦いです。大分選挙区では、足立氏が3期にわたり守ってきた議席です。古庄氏は2016年参院選で、その足立氏に約1000票差で敗れました。2回目の対決となる今回、古庄氏はその雪辱を果たそうと必死です。国民にとっても貴重な現職を落とすわけにはいきません。横一線のまま最終盤になだれ込む展開が予想され、全国の1人区でも最も激戦と言っても過言ではないかもしれません。

 沖縄選挙区では、保守勢力の一部と革新勢力で作る「オール沖縄」が支援する無所属現職の伊波洋一氏と、自民党新人の古謝玄太氏が互角の戦いを演じています。沖縄は9月に知事選を控え、参院選が前哨戦の様相となっています。自民党は支援した候補が今年の県内の市長選で4連勝し、その余勢を駆って参院選でも勝利しようと党本部が全面支援しています。知事選候補も古謝氏に同行して、知事選を見据えて連動した戦いを徹底しています。「オール沖縄」にとっても、参院選で議席を得ることで、知事選に向けて自民党の勢いをそぎたいところです。米軍普天間飛行場の辺野古移設反対を旗頭に、支持拡大を強化していく構えです。

【最新情報】参院選2022 各地の情勢(特設サイト)
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3143069 0 参院選 2022/07/05 19:00:00 2022/07/05 20:18:41 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/07/20220705-OYT8I50073-T.jpg?type=thumbnail

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