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海外で暮らす有権者が国政選挙に参加する在外投票制度の一部に、オンラインが導入された。同制度は手続きが煩雑で、利用が進んでいないことが課題だった。ただ、実際に投票する手段は郵便などアナログなままで、海外の有権者からは「ネット投票」の実現を求める声も上がる。(鈴木貴暁、藤亮平)
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「非常にスピーディーな対応だった」。ドイツ南西部のホーエンハイム大学に留学する男性(24)は6月22日、オンラインで「在外選挙人名簿」への登録を終え、そう振り返った。
在外邦人が国政選挙で投票するには、この名簿に名前が載っている必要がある。加藤さんは渡航前に居住地の自治体に登録申請をしていなかったため、これまでなら現在の自宅から約200キロ離れたミュンヘンの総領事館に出向かなくてはならなかった。
しかし外務省は4月から、在外公館で行っていた本人確認をビデオ通話でできるように対応を変更。6月からは、窓口に提出する必要があった登録申請書などの書類もメールで送信できるようにした。男性は、領事館職員とビデオ通話で面会し、パスポートの写真と自らの顔を画面に映し、手続きはわずか数分で終わった。
外務省によると、在外選挙人名簿への登録は、在外公館から離れた地域に住んでいる人には負担が大きく、約100万人とされる在外邦人の有権者のうち、登録者数は1割に満たない。だが、今年4~5月の新規登録者数は昨年同期比2~3倍に上る。担当者は「4月から手続きをオンライン化したことが大きい」と話す。
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