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久間防衛相が辞任、「原爆発言」で引責

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首相官邸で記者の質問に答える久間防衛相

 久間章生防衛相(66)(衆院長崎2区)は3日午後、安倍首相を首相官邸に訪ね、米国が広島、長崎に投下した原子爆弾に関する自らの発言が国民の誤解や与党の混乱を招いたとして、辞任する考えを伝えた。

 首相も了承した。参院選を控えた時期に閣僚が辞任する事態に至ったことで、安倍政権は年金記録漏れ問題に加えて大きな痛手を負った。

 久間氏は首相に辞意を伝えた後、記者団に対し、「きょう長崎の市長と会った。長崎の皆さんにも大変ご迷惑をかけた。私が思ったのと違った形で(発言が)伝えられて、理解を得られていないということで、ここでけじめをつけようということを首相に伝えた」と語った。

 久間氏が辞任に追い込まれたのは、発言の影響を懸念する参院自民党や公明党を中心に、与党内の辞任論が強まったためだ。公明党の冬柴国土交通相は3日午前の閣議後の記者会見で、「2度までも原爆被害を受けた民族として容認発言は許されない。政治家として出処(進退)を考えるのが当然だ」と述べていた。

 この日は他の閣僚からも批判が相次ぎ、溝手国家公安委員長は「どんな大義名分があっても、核を是認するような発言は慎むべきだ」と述べ、渡辺行政改革相も「適切な発言ではない」と語った。長崎市の田上富久市長らも3日午前、防衛省に久間氏を訪ね、発言の撤回を求めていた。

 久間氏を更迭する考えはないとしてきた首相も、これ以上擁護することはかえって事態を悪化させると判断したと見られる。

 久間氏は6月30日の千葉県柏市での講演で、第2次大戦で米国が広島、長崎に原爆を投下したことについて、「あれで戦争が終わったという整理の中で、しょうがないと思う」などと発言した。その後、与野党から強い反発が出たことを受け、「核廃絶と、広島、長崎への原爆投下は許せないとの姿勢は微動だにしない」と釈明し、陳謝した。首相も久間氏を厳重注意したが、批判の声は収まらなかった。

 安倍政権の閣僚辞任は、自らの政治団体の不適切な会計処理の問題で昨年12月に辞任した佐田玄一郎行政改革相に続いて2人目。失言による閣僚の辞任には、2000年2月に小渕内閣の越智通雄・金融再生委員長が金融機関への検査に手心を加えるなどと発言し、国会の混乱の責任をとった例がある。

2007年7月3日13時39分  読売新聞)
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