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    選挙の争点や各党の動きをお伝えします。
    政治の現場・直前ルポ

    〈7〉確執10年 分断の自民

    山梨2区・公認騒動 「4度目」対決

     衆院山梨2区で、自民党の堀内詔子と、自民党への復党を目指す無所属の長崎幸太郎が、激しいつばぜり合いを演じている。

     「自民党が山梨2区で唯一公認したのは堀内詔子だ。選挙が始まれば、我が党の正規軍が応援に入らせていただきたい」

     27日夜、山梨県富士吉田市の市民会館で開かれた堀内の総決起集会で、党選挙対策委員長の茂木敏充が声に力を込めた。会場は、支持者約1000人の熱気であふれ、上着を脱いだ茂木は、シャツの袖をまくった。

     マイクを引き継いだ堀内は、「たとえば幼児保育の問題。女性がもっと声を上げ、政策に届かせることが出来ればもっと踏み込んだ解決ができる」と訴え、「女性候補」であることを前面に打ち出した。

     定数1の小選挙区で、茂木があえて「唯一公認した」と強調したのは、自民党に極めて近い位置にいながら無所属出馬する長崎を意識してのことだ。

     長崎は2005年衆院選の初当選から09年まで、自民党に所属していた。現在も、党総務会長の二階俊博が率いる二階派に「特別会員」として参加し、復党の機会をうかがっている。茂木の「正規軍」という言葉には、長崎を支援するのは「反党行為」であるとのけん制が込められている。

     29日夜、長崎は同県大月市の市民会館大ホールで総決起集会を開いた。応援に駆けつけたのは二階だった。

     「山梨県から出すとすれば、この人以外いないじゃないか。自民党公認だとか公認でないとか、そんな小さなことはどっちでもいいじゃないですか」

     二階が、「反党行為」など意に介さないかのように声を張り上げると、約1000人の支持者から割れるような拍手が起きた。

     続けて、長崎は「集大成の選挙にしたい。もうそろそろ終止符を打たなければいけない」と、堀内との対決に決着をつける考えを強調した。

     両者の確執は、郵政民営化が最大の争点となった05年の衆院選までさかのぼる。長崎は、郵政民営化に反対した元総務会長の堀内光雄への「刺客」として、旧2区に送り込まれた。無所属となった堀内光雄が選挙区で当選し、長崎は比例復活を果たした。

     光雄は第1次安倍政権で復党し、09年衆院選では長崎から公認の座を奪い返す。納得のいかない長崎は無所属で出馬するも落選。12年の前回衆院選は、光雄の後継で長男の妻の詔子が党公認で立候補したが、今度は無所属の長崎が勝利し、詔子は比例復活した。

     小選挙区の「0増5減」で山梨県の選挙区が3から2に減った今回の衆院選で、「堀内家」と長崎は戦いの場を新2区に移し、4回目の対決をすることになる。

     党山梨県連も、堀内に近い執行部と長崎の支持者が多い反執行部とに分かれて、何かと反目を続けている。県議会の県議団も2会派に割れており、党本部も「山梨は真っ二つでどうにもならない」(幹部)と、悩みの種だ。元自民党副総裁の金丸信を生んだ固い保守地盤を持つ山梨は、長年、自民党内の激しい政争が続いてきた土地柄でもある。

     党執行部の一人は10月末、長崎に対し、来年1月の山梨県知事選への出馬を打診した。「長崎が知事、堀内が衆院議員」とすみ分けることで、県連を巻き込んだ長年の対立に終止符を打つ「円満解決」の妙案にも見えた。だが、長崎は「とても勝てる状況ではない」と固辞した。長崎としては、堀内支持派からの支援が確実でない以上、乗れない話だった。

     12月2日の衆院選公示が近づくにつれ、両陣営の対立は激しさを増している。

     堀内支持派の県議で党県連幹事長の皆川巌は「長崎を支援した党幹部には厳しい処分を要請する」と周囲に語り、強気の構えだ。

     一方の長崎陣営の県議は、こう息巻く。

     「大差をつけて勝利し、堀内の比例復活を阻止する。そうすれば、今後、自民党公認候補になるのは長崎だ」

     (前田毅郎、甲府支局 久保拓)(おわり)=本文は敬称略

    予想の顔ぶれ
    ◇山梨2区◇富士吉田市、都留市、山梨市など
    堀内 詔子49自前《1》
    秋山 晃一61共新
    長崎幸太郎46無前《2》
    (読売新聞社調べ。解散時の衆院の党派勢力順)

    2014年11月30日 10時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

    党派別立候補者数

        小選
    挙区
    比例 重複 公示前
    勢力
    うち
    女性
    自民 352 42 283 341 272 293
    民主 198 29 178 197 177 62
    維新 84 9 77 83 76 42
    公明 51 3 9 42 0 31
    次世代 48 3 39 45 36 19
    共産 315 79 292 42 19 8
    生活 20 3 13 19 12 5
    社民 25 1 18 24 17 2
    改革 4 1 0 4 0 0
    諸派 49 22 5 44 - 0
    無所属 45 6 45 - - 17
    1191 198 959 841 609 479

    欠員1

    「改革」=新党改革。諸派は幸福実現党など。

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