コメ減反廃止に不安な農家、秋田で農業も争点に

    • 来年の減反廃止を控え、大きな転機を迎える農業。不安を抱える農家も多い(12日、横手市で)
      来年の減反廃止を控え、大きな転機を迎える農業。不安を抱える農家も多い(12日、横手市で)

     50年近く続いた国によるコメの生産調整(減反)が今年産を最後に廃止され、産地間競争の激化や供給過剰による値崩れが懸念されている。

     有数の産地である秋田県内が転機を迎えるさなかの衆院選でも農業が争点の一つになっている。

     「減反廃止で競争原理を持ち込むというが、全国の農家が好き勝手にコメを作ったら、米価が暴落してしまうのではないか」。秋田県五城目町で約7ヘクタールの主食用米を生産する農家の男性(66)は不安を隠さない。

     国が都道府県に生産目標を割り当てる減反の廃止で、国は来年以降、全国的な需給見通しを示すだけになる。生産者は自らの経営判断で、需要を見極めて生産量を決めるため、作りたいという農家が増えれば、値崩れも懸念される。

     減反廃止に伴い、減反に応じた農家に支払われる10アール当たり7500円の直接支払交付金が廃止される。農家の男性は、今年産で約50万円あった交付金がなくなる。「毎年、今の作付面積で収穫するので精いっぱい。米は利益が少なく、年金で穴埋めして農業をやっているのに追い打ちだ。所得の補償など農家が安心して米を作れる環境づくりを国にお願いしたい」と話す。

     秋田県立大の長浜健一郎教授(農業経済学)は、「米を作るのが原則自由になると、たくさん作りたいというところも出てきて米価が下がる可能性がある。交付金がなくなり、米価も下がれば、特に高齢の農家は影響が大きい。耕作をやめる農家が増えれば、米の生産力自体が落ちる恐れもある」と懸念する。

     多くの県では、来年以降も生産の目安を独自に示す予定だ。秋田県内では、秋田県が11月末以降に県全体の目安を示し、地域ごとに独自に判断することになる。

     減反廃止を前向きにとらえて、国に頼らない経営に向けて積極的に動き出すところも出てきた。JA秋田ふるさと(横手市)は、外食産業を中心に業務用米の需要が見込めるため、2020年までに年間約1万8000トンの出荷量増(今年産比約4割増)を目標に掲げる。小田嶋契組合長は「秋田のコメが世界と戦い抜く力を磨く大きなチャンス」と力強く話す。

     県は9月末、業務用米のシェアを上げることを目指す「秋田米生産・販売戦略」を策定し、主食用米の生産量41万トンの維持を図る。

     秋田県立大の長浜教授は、「秋田の農業は米が基本。産地間競争が激しくなるなかで、秋田米のあり方をしっかりと考える必要がある」とし、「減反廃止による価格の変動なども見据え、安い米から高品質米まできめ細かくニーズに対応できる品ぞろえを充実させることが重要だ」と指摘している。

    2017年10月15日 17時24分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

    候補者(50音順)

    党派別立候補者数

        小選
    挙区
    比例 重複 公示前
    勢力
    うち
    女性
    自民 332 25 277 313 258 284
    希望 235 47 198 234 197 57
    公明 53 5 9 44 0 34
    共産 243 58 206 65 28 21
    立憲民 78 19 63 77 62 15
    維新 52 4 47 52 47 14
    社民 21 4 19 21 19 2
    こころ 2 1 0 2 0 0
    諸派 91 31 44 47 0 0
    無所属 73 15 73 - - 45
    合計 1180 209 936 855 611 472

    欠員3

    希望=希望の党、立憲民=立憲民主党、維新=日本維新の会、こころ=日本のこころ