点訳スタッフ泊まり込み、選挙公報作成急ピッチ

    • 点字のプレス機で作成が進む点字版の選挙公報(11日、東京都新宿区で)
      点字のプレス機で作成が進む点字版の選挙公報(11日、東京都新宿区で)

     衆院選(22日投開票)の立候補者の主張や経歴をまとめた「選挙公報」の点字版の作成が急ピッチで進んでいる。

     公示後に作成を始めるため、有権者の手に届くのは投票日間際になることも多い。視覚障害者団体などは「完成から投票日まで期間が短いので、各選挙管理委員会は、視覚障害者らにしっかりと行き渡らせてほしい」と要望している。

     公示翌日の11日午後、東京都内の視覚障害者支援団体「東京ヘレン・ケラー協会」では、凹凸を刻んだ2枚の亜鉛版で挟んだ紙をプレスして、点字を転写する作業が始まっていた。

     同協会では、東京、栃木、群馬など6都県の点字版の作成を担当。公示後1週間をめどに約1万部を完成させる予定で、点訳スタッフらは近くのホテルに泊まり込み、夜遅くまで作業している。同協会業務執行理事の福山博さん(62)は「視覚障害者の投票に不可欠なもの。作業は遅らせられない」と語る。

     総務省や日本盲人会連合によると、選挙公報の点字版は、公職選挙法に正式な位置付けがない。このため、全国25の点字出版団体などが協力して選挙公報を点訳した投票啓発用の「お知らせ」を作成し、それを各都道府県選管が買い取って配っている。1960年代から簡略版を作成する取り組みが始まり、2007年の参院比例選から全訳版が導入されている。

     また、約30万人いる視覚障害者のうち、約15%しか点字を読めないため、同連合などは、点字版のほかに、選挙公報を読み上げた声を収録した音声版や、文字拡大版も作成している。

     視覚障害者の中には、パソコンの文字情報を読み上げるソフトを使って、候補者のホームページから情報を得ている人もいるが、各選管がインターネット上に公開している選挙公報は、改ざん防止のために画像データ化されており、一般の読み上げソフトでは対応できないのが実情だ。

     こうした点字版や音声版、文字拡大版の配布方法は各選管に任されている。視覚障害者宅に配布している自治体もあるが、地域の点字図書館などに置かれるだけのケースも少なくない。

     同連合の三宅隆情報部長(44)は「各選管は、点字版や音声版の存在を広く知らせる工夫をしてほしい。障害者側も自治体に問い合わせるなどして、自分の障害にあった『お知らせ』を入手し、選挙に臨んでもらいたい」と話している。

    2017年10月16日 16時46分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

    候補者(50音順)

    党派別立候補者数

        小選
    挙区
    比例 重複 公示前
    勢力
    うち
    女性
    自民 332 25 277 313 258 284
    希望 235 47 198 234 197 57
    公明 53 5 9 44 0 34
    共産 243 58 206 65 28 21
    立憲民 78 19 63 77 62 15
    維新 52 4 47 52 47 14
    社民 21 4 19 21 19 2
    こころ 2 1 0 2 0 0
    諸派 91 31 44 47 0 0
    無所属 73 15 73 - - 45
    合計 1180 209 936 855 611 472

    欠員3

    希望=希望の党、立憲民=立憲民主党、維新=日本維新の会、こころ=日本のこころ