現在位置は
です

本文です

(1)「小沢支配」膨らむ懸念

 「落選した自民党前議員の秘書を急いで雇うと、後で問題になりかねないから、新人議員にはあわてないように指導してほしい」

 民主党のベテラン議員は31日、党職員にこう伝えた。

 308人の民主党衆院議員のうち、新人は実に143人。党幹部は「議会の仕組みさえよく知らないような素人もいる」と打ち明ける。自民、公明両党に代わって「巨大与党」となる民主党にとって、新人教育は喫緊の課題だ。党執行部は新人を対象にした勉強会の準備などに追われている。

 新人の大量当選は、選挙担当の小沢代表代行の手腕に負うところが大きい。

 30日深夜、大勝に沸き立つ党の開票センターの控室で、小沢氏は浮かぬ顔だった。愛媛1区で新人の永江孝子氏(比例復活)が自民党の塩崎恭久・元官房長官に競り負けたためで、「永江が負けるとはなあ……」とぼやいた。

 多くの新人は、小沢氏が公認調整から選挙態勢づくりまで手がけ、小沢チルドレンと呼ばれる。小沢グループは、選挙前の約50人から150人規模に膨れあがる見通しだ。

 小沢氏が「数の力」を背景に、鳩山政権の運営に強い影響力を発揮するのではないか——。党内外にくすぶる「小沢支配」の懸念。鳩山政権にとって大きな問題だ。鳩山カラーを貫けるかどうか最初の試金石が閣僚・党役員人事だ。

 「小沢さんには、『こう致していいでしょうか』と言う必要はない。『こう致しました』でいいんだ」

 藤井裕久・党最高顧問は最近、鳩山氏にこう助言した。小沢氏と距離を置く議員も積極的に登用すべきだという勧めだ。鳩山氏の側近はひそかに、「国家戦略局」や「行政刷新会議」などのプラン作りも進めている。

 こうした鳩山氏周辺の動きに、小沢氏側近らは「小沢外しではないか」と、不信感を募らせ、「小沢さんに引き続き仕事を頼みたいなら、鳩山さんはまず小沢さんに頭を下げないといけない」との声も出ている。

 小沢氏は来年の参院選対策に専念する構えだ。業界の自民党離れを進め、自民党復権を防ぐ狙いから、「最低でも2年間は、民主党政権で予算編成しないといけない」と周囲に漏らす。

 しかし、党内基盤を厚くした小沢氏が、自民党を巻き込んだ形で政界再編に動くのではないかと警戒する向きもある。300超の議席は逆に、民主党のアキレスけんになる危険性もはらんでいる。

2009年9月1日  読売新聞)
現在位置は
です