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    インタビュー

    谷桃子バレエ団、新たな一歩…遺志継ぐ「眠れる森の美女」

    初の全幕上演へ

    • 「客席まで感情が届くように踊りたい」と話す永橋あゆみ(右)と三木雄馬=橘薫撮影
      「客席まで感情が届くように踊りたい」と話す永橋あゆみ(右)と三木雄馬=橘薫撮影

     谷桃子バレエ団が大作「眠れる森の美女」を15日から17日まで上野の東京文化会館で初めて全幕上演する。

     2015年に94歳で亡くなったバレエ団の設立者、谷桃子が上演を切望した作品。遺志を引き継いだ団員たちが、意気込みを語った。


     チャイコフスキー作曲、プティパ振り付けの「眠れる森の美女」は、19世紀末の帝政ロシアで初演されたけんらん豪華なバレエ。悪の精によって16歳の誕生日に死ぬ呪いをかけられたオーロラ姫が、代わりに100年の眠りにつき、王子のキスで目覚める有名な物語だ。

     初日のオーロラ姫は永橋あゆみが踊る。1999年に入団したバレエ団の看板ダンサーで、こまやかな感情表現を得意とする。

     「高貴な作品なので、手足の動き一つでも繊細に、すきのないようにしたい。一幕はかわいらしく、二幕は幻想的に、三幕は成熟した女性と、違う表情を見せたい」

     相手のデジレ王子役は、2008年に入団した三木雄馬。12年にバイク事故で左足に大けがを負ったが、復帰を果たした。

     「王子が登場するのは中盤。役のイメージや感情をはっきり伝えて、オーロラ姫の目覚める場面をロマンチックにしたい」

     情緒豊かな表現が持ち味の同バレエ団は、日本初のスターバレリーナといわれる谷が1949年に創立した。意外にも「古典バレエの最高峰」とされる本作の上演歴はない。古典を精密に踊れる高度な技術を持つソリストを大勢必要とするため、谷は生前「バレエ団の技術、規模が成長するのを待って上演したい」と話し、数年前から企画を進めていた。

     監修はイリーナ・コルパコワ、演出と改訂振り付けはエルダー・アリエフ。いずれもロシアのキーロフ(現マリインスキー)・バレエ団で活躍し、昨年も谷バレエ団で「海賊」を制作した。「エルダー先生の振り付けはお芝居の要素が少なく、感情を踊りで表現する。とてもバレエ的」と三木。

     谷亡き後、バレエ団の第一歩となる作品。永橋は「谷先生からは心を動かして踊ることの重要性を教わった。谷と言えば『眠れる森』と言われるように、バレエ団の新たな代表作にしたい」と力を込めた。

     16日のオーロラ姫とデジレ王子役は植田綾乃と檜山和久、17日は佐藤麻利香と山科諒馬。悪の精カラボスはパフォーマンス集団「ザ・コンボイ」の舘形比呂一が踊る。(電)03・3717・7806。(野口恵里花)

    2016年01月12日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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