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    テレビ

    「昼ドラ」終幕…東海テレビ制作、半世紀で200作超

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     「ドロドロの愛憎劇」の代名詞として、社会現象まで起こした東海テレビ制作の昼の帯ドラマ、いわゆる「昼ドラ」が、3月末で終了する。

     現在放送中の「嵐の涙」が最後となる。1964年の開始以来、200作以上を世に送り出してきたが、時代の波を受け、52年近い歴史に幕を下ろす。(前田啓介)


     1963年、キー局のフジテレビから打診を受け、東海テレビは昼の時間帯に連続ドラマを自社制作することを決定。64年5月スタートの水野久美、葉山良二共演のメロドラマ「雪燃え」=写真〈1〉=が第1作となった。

     初めは白黒の15分番組だったが、72年にカラー化。76年から30分枠となった。

     また、ドラマの内容も、当初は文芸調の原作ものが多かったが、次第に多彩になっていった。「あかんたれ」(76~77年)=写真〈2〉=を始めとする根性物語や、戦前から戦後にかけての華族社会の激動を描いた「華の嵐」(88年)など社会性の強いドラマも作られた。2000年代には「真珠夫人」(2002年)=写真〈3〉=や「牡丹ぼたん薔薇ばら」(04年)=写真〈4〉=などドロドロした愛憎劇と強烈なセリフ、展開を売りにした作品が生まれ、社会現象にもなった。

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     昼ドラが約52年続いた理由について、東海テレビは「はやりを追いかけず、ドラマとしての基本を守りながら、悲しいとか、うれしいといった本質的な人間の心をちゃんと見つめて作ってきたから」と説明する。

     上智大の音好宏教授(メディア論)によると、昼ドラの時間帯は、「主婦層が1人でゆっくりテレビを見るには都合のよい時間」だった。しかも、「その層に好まれそうな、家族の絆をテーマにしたドラマや、東海テレビが得意とした『ドロドロもの』などを放送し、根強い人気を得た」と分析する。

     しかし、近年は視聴者離れが進み、同社は「視聴者が生情報番組を求める傾向が強まり、視聴率が低迷してきた」と説明する。


    最終作もドロドロ「嵐の涙」…主演・佐藤江梨子「祭りだと思って」

    • 「嵐の涙」で主演を務める佐藤(左)
      「嵐の涙」で主演を務める佐藤(左)

     歴史ある昼ドラの最後を飾るのが、214作目となる「嵐の涙」(月~金曜後1・25)だ。昼ドラ初主演の佐藤江梨子は「責任重大ですが、最後の最後なので、お話をいただいた時は、『祭り』だと思って引き受けました」と振り返る。

     無情にも断ち切られた親子、夫婦の絆を、主人公たちが運命に翻弄されながら、紡ぎ直していく物語。10年前に夫と娘が行方不明になった里子(佐藤江梨子)は、育児放棄されている赤ん坊と出会い、その子と2人で生きていくことを決める。

     その後、再会した夫は記憶喪失となり、別の女性と結婚していた。様々な災難がふりかかってくるが、里子は、血のつながらない娘との絆を糧に、もがき苦しみながら幸せを求め続ける。最後の作品らしく、竜雷太や柄本明、遠藤久美子など共演者も豪華だ。

     現在、子育て中の佐藤は、子どもを失った母親の気持ちに共感し、台本を読んで胸が痛むこともあるという。「子どものことを一生守らなければいけない。お母さんってそういう生きものなんです。この子を守るために生きるみたいなところがある」

     登場人物の微妙に揺れ動く心理描写が多く、静かに物語は進行する。ただ、「私の目の黒いうちには」のような、昼ドラならではの大時代的なセリフは健在。「笑わないようにしようとしている」と佐藤が言うのも決してうそではない。

     最後の作品だけに、ドロドロはまだまだ続きそう。第6週となる今週は、記憶をなくしていた里子の元夫の記憶がよみがえり……と、お家芸の愛憎劇が始まる予感がする。佐藤も「結末については、出演者もどうなるか分からない。でも、何かが待っていると思う。昼ドラっぽいことが起こるのでは」と意味深なほほ笑みを浮かべた。

    2016年03月16日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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