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    映画

    「ボーダーライン」 (米)

    麻薬組織との激烈な戦い

     米国とメキシコの国境地帯を舞台にした、衝撃的なサスペンスアクションである。白昼の渋滞した道路での激しい銃撃戦など、メキシコの麻薬王との戦いは、まさに仁義なき戦い。常軌を逸しているようにも感じるが、法律をいちいち守っていては、凶悪な組織に対抗できないということだろう。

     FBIのケイト(エミリー・ブラント=写真)が麻薬組織幹部名義の家に踏み込むと、壁の中から遺体が多数出てきた。ケイトは、この組織を捜査するCIAなどの特別チームに参加することになる。「エスコバル/楽園のおきて」でコロンビアの麻薬王役だったベニチオ・デル・トロが、今度はいわくありげな元検察官を不気味に演じる。不敵なリーダー役のジョシュ・ブローリンと対称的で、チームの特殊性が強調されている。

     最初の作戦で向かうメキシコの都市では、見せしめの死体が何体もつり下げられている。メキシコの麻薬組織に対抗する自警団を題材にしたドキュメンタリー「カルテル・ランド」(5月7日公開予定)でも同じ光景が出てくる。ここに映る組織の残虐さは、ウソでも誇張でもないのだ。

     暗い空を背景に捜査員たちの姿が黒いシルエットで浮かぶ場面など陰影深い映像がスタイリッシュで、不安感を増幅する音楽も効果的だ。カナダ出身のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は、麻薬組織との激烈な戦いを、緊迫した空気感で描き出している。2時間1分。新宿ピカデリーなど。(福永聖二)

    2016年04月08日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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