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    テレビ

    テレ東が「池の水ぜんぶ抜く」深いワケ

    テレビ東京プロデューサー 伊藤隆行

    これで2時間やろう!

    • 番組MCの田村淳さん(テレビ東京提供)
      番組MCの田村淳さん(テレビ東京提供)

     「ここには(ぬし)がいる」

     「絶対にこの池に落ちたくない」

     「得体の知れないものが水の中にあるかも」

     子どもたちが、通学途中にこんなことを言って不気味がるような、いわくつきの池や沼が各地に数多くあると思った。

     と同時に、定点カメラで池の水位が下がっていく様子をとらえる映像が頭に思い浮かんだ。「インパクトがある」「これはいける」。そう思ったら、「池の水を抜くだけで2時間の特番を作ろう」と気持ちが向かっていた。

     局内の企画会議に、「水ぜんぶ抜いちゃいました」というタイトルで提出した。

    これは一体なんなんだ?

     これまで、「モヤモヤさまぁ~ず2」「やりすぎ都市伝説」などのヒット番組を手がけた自分の実績に関係なく、この企画案はやり玉に挙げられた。

     「これは一体なんなんだ?」

     「『おもしろそう』だけでやられても困る」

     「水を抜くだけで2時間も持つわけがないだろう」

     「保険がかかってない」

     「タイトルを変えろ」

    • 「池の水ぜんぶ抜く」を企画した伊藤P
      「池の水ぜんぶ抜く」を企画した伊藤P

     数字(視聴率)を復活させる――。その至上命題を思えば、無茶(むちゃ)できないのも理解できた。しかし、「こんなの無理」「ありえない」と噴出する批判を、「この企画ってこんなに目を引くんだ」と逆に、前向きに受け止めた。

     企画を通すため、「緊急SOS!危険生物から日本を守れ!」にタイトルを変更した。「住民を守る」「緊急」「SOS」という姿勢を前面に打ち出すことで、社内の理解を得られた。

     しかし、心の中では、「池の水は抜きますけどね……」と舌を出していた。サブタイトルに小さく「池の水を全部抜いて全滅大作戦」と残していた。

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    2017年11月05日 07時07分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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