「dele」出色のバディーもの…夏の連ドラ座談会

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山田孝之(右)と菅田将暉(左)のダブル主演で話題の「dele」
山田孝之(右)と菅田将暉(左)のダブル主演で話題の「dele」

 夏の民放各局の連続ドラマが始まりました。医療や刑事ものが多い昨今ですが、初回を見た5人の放送担当記者が1位に選んだのは、デジタル社会を反映した新感覚の深夜ドラマでした。ほかの話題作についても、記者たちが熱く語ります。

  記者票1位に輝いたのは「deleディーリー」。死後もパソコンなどに残ったデータ「デジタル遺品」を巡る山田孝之と菅田将暉のバディー(相棒)ものは、放送前から話題でした。作家の本多孝好の原案です。

  期待を上回る、出色の出来だったよ。菅田の雰囲気は「人を少しだけ優しくさせる男」というドラマの設定にぴったり。

  相方の山田は車椅子に乗った役なのに格闘もこなす。「CRISIS」など数々のアクションドラマを手がけた金城一紀がアクション監修と聞いて、合点がいきましたぞ。

コミュニケーション能力に障害を持つ研修医・湊役の山崎賢人の熱演が光る「グッド・ドクター」
コミュニケーション能力に障害を持つ研修医・湊役の山崎賢人の熱演が光る「グッド・ドクター」

  韓流ドラマのリメイク「グッド・ドクター」は評価が割れたね。サヴァン症候群の医者役の山崎賢人はよかったけど、泣かせようとする制作側の狙いに感情移入ができず……。

  海外のヒット作が、日本でウケるとは限らないからな。★一つで、すまん。

  2年ぶりに大阪から戻られた(井)さん。新キャップとして今回から登場です。いきなり斬り込みますね。

  みんな、感情が欠落してるよ! 僕は、患者の男の子が母親への思いを明かすくだりで涙があふれた。山崎の熱演もあって満点です。

  熱演といえば、「チア☆ダン」は熱血スポ根もの。フレッシュな顔が並び、次のスターを探す楽しみもありますな。

  スケールが大きい映画版と比べて物足りなさを感じましたが、今後の盛り上がりに期待です。

  舞台は福井。地方出身者としては応援したいところだが、学園ものはもう遠い世界だ……。

  でも、ピュアな青春ってだけでグッと来ません? こういう部活ドラマは暑い夏にぴったり。ああ、高校生に戻りたい。

  「絶対零度」も「月9」らしく、もっとはじけてほしかったよ。

  シリーズ第3弾ですが、もはや新ドラマと言っていいほど設定が違うのです。人工知能で犯罪を起こしそうな人を判定し、未然に防ぐのは、刑事ドラマの常識を破る内容ですが。

  「義母と娘のブルース」は感動の結末が想像できない。綾瀬はるかのキャラクター設定はおもしろいんだけどね。

  う~ん、綾瀬の変人キャラは飽きたかな。

  キャリアウーマンが母親になるというテーマが興味深いですな。ヒット作「逃げるは恥だが役に立つ」が「就職としての結婚」なら、こちらは「就職としての母親」。どちらも形から入り、本物になる構造が似ております。

  ヒロインの強烈さなら「高嶺の花」も。石原さとみは、はすっぱな華道家令嬢の役柄が合っているね。

  映像やキャラは耽美たんび的でシュール。でも、セリフが響かないんだな。

  え~っ、ぷーさん(峯田和伸)の「愛していると憎まない。憎めないんです」とかグッとくるセリフは、さすが野島伸司と思ったけど。

  ヒートアップしてきました。後半戦もこのテンションでお願いします。

「ハゲタカ」平成を総括

  初回の視聴率は僅差だった。1位は外資による企業買収劇「ハゲタカ」。主人公鷲津のイメージは、以前放送されたNHK版で演じた大森南朋が作りましたが、本作の綾野剛の方が原作に近いですな。平成の日本経済を総括する意味でもタイムリーであります。

  「相棒」シリーズの和泉聖治監督による映像美はさすがだけど、題材が中途半端に古いんだよね。「バルクセール」とか言われてもね。

  初回は1990年代のエピソードでしたから。バブル崩壊後の日本を振り返る内容なので、時代背景が今に近づくにつれて印象も変わるはずです。

  同じ経済ドラマでも「ラストチャンス 再生請負人」は買収される側の混乱も描かれていて、リアリティーがあった。

  家族の描写も含め、同世代として共感できる。主人公の仲村トオルに「殴っちまえよ」と叫びたくなるよ。

  ストレスがたまっていますね……。働く人を描くドラマが多い中で異色なのが「ヒモメン」。女性の収入に頼るヒモ男を巡るコメディーは、男女で受け止め方が異なるかも。

  ヒモだのパワハラだのナルシシストだのまともな男がまったく出てこないね。でも、結局、何が言いたいドラマなんだろう?

  ヒモ彼氏を演じる窪田正孝のクズっぷりはさすがだけど、ストーリーの引きが弱かったな。生活保護の現場がテーマの「健康で文化的な最低限度の生活」は一見地味なんだけど細部まで作り込んでいて、情感が伝わるよ。

戦時下の広島を舞台に日常のしあわせを描く「この世界の片隅に」。主人公すずを松本穂香が演じる
戦時下の広島を舞台に日常のしあわせを描く「この世界の片隅に」。主人公すずを松本穂香が演じる
型破りな上司の指南を受け、アラサーのさやか(波瑠、右)が婚活に励む「サバイバル・ウェディング」
型破りな上司の指南を受け、アラサーのさやか(波瑠、右)が婚活に励む「サバイバル・ウェディング」

  わたくしは「この世界の片隅に」を推します。久石譲による劇中音楽は独立して聴けるほどすばらしく、俳優陣も脚本もヘタな映画を超えるレベル。戦火が迫り、重苦しくなる後半の描き方によっては、今期ベストワンの可能性もあります。

  キャストも美術もとにかく豪華で、戦時下のつましい生活ぶりにはノスタルジーすら感じます。

  音楽と美しい風景だけでも涙が出るって、反則だよ。松本穂香と松坂桃李の夫婦もよいけれど、波瑠が婚活に励む「サバイバル・ウェディング」がおもしろい! 上司役の伊勢谷友介の、キノコみたいな変な髪形だけでもつかみはOK。

  そのヘアスタイルは画家の藤田嗣治へのオマージュだな。定番の結婚ネタで、テンポが良くて楽しい。

  サバイバルという点では「ゼロ 一獲千金ゲーム」もそうだけど、何を見せたいのか伝わってこないよ。クイズで死者が出ているのに緊迫感がまるで感じられなかった。

  こういうゲームバトルは視聴者参加のリアルバラエティーの方がおもしろいのかもしれませぬな。

  初回だけ見て、脱落するのは早いですよ。どの作品が支持を広げていくのかこれからが本当の戦いです!

36618 0 エンタメ・文化 2018/07/30 15:00:00 2018/07/30 15:00:00 2018/07/30 15:00:00 「dele」キャプション別送り https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180730-OYT8I50011-T.jpg?type=thumbnail

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