ベネチア国際映画祭、「ファースト・マン」で開幕

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 カンヌ、ベルリンと並び、世界三大映画祭の一つ「ベネチア国際映画祭」が29日、開幕しました。最高賞の金獅子賞を争うコンペティション部門には、世界各国から21作品が集まり、日本からは塚本晋也監督の時代劇「斬、」が出品されています。カンヌでパルムドールを獲得した是枝裕和監督「万引き家族」に続き、日本作品の連続受賞があるのか。注目の映画祭の様子をリポートします。(文化部 大木隆士)

お目当ての俳優を見ようと、何時間も前からメイン会場のレッドカーペットの前に並ぶファンたち。強い日差しを避けるため、日傘は必需品だ
お目当ての俳優を見ようと、何時間も前からメイン会場のレッドカーペットの前に並ぶファンたち。強い日差しを避けるため、日傘は必需品だ

 会場となるベネチアのリド島へは、世界遺産になっている本島から船で渡ります。リゾート地で、陽光がきらめく中、海岸では海水浴客がパラソルを開いていました。それでも風は涼しく、朝晩は半袖だと少し肌寒くなります。もう秋も近いのでしょう。

 夏の終わりを、映画祭が彩ります。開幕前日に会場周辺を訪れた時は、まだ設営の工事の音があちこちで聞こえていました。ギリギリで開幕に合わせるのは、お国柄でしょうか。メイン会場「パラッツォ・デル・シネマ」のレッドカーペットの前には、お目当てのスターの登場を楽しみにするファンが、何時間も前から待ちかまえています。

 75回目を迎える今年のベネチア。コンペには、すでに実績十分な、ハリウッドで活躍する大物監督の作品が多数選ばれました。その中で、オープニング作品となったのはデイミアン・チャゼル監督「ファースト・マン」です。

「ファースト・マン」© 2018 NBC Universal
「ファースト・マン」© 2018 NBC Universal
会見で記者の質問に応じるライアン・ゴズリング(左)とデイミアン・チャゼル監督
会見で記者の質問に応じるライアン・ゴズリング(左)とデイミアン・チャゼル監督

 「セッション」では異様なテンションで学生を追いつめるパワハラ教師、「ラ・ラ・ランド」では華麗なミュージカルを作り、チャゼル監督は観客をとりこにしてきました。本作は1969年、人類で初めて月面に降り立った宇宙飛行士、ニール・アームストロングが主人公。「ラ・ラ・ランド」でピアニストを演じた、ライアン・ゴズリングが演じます。

 米国の英雄となった宇宙飛行士と、支える家族の苦悩を描いたヒューマンドラマ。誰もが知る「アポロ11号」の物語を史実に沿って描き、前2作と比べるとオーソドックスな印象も受けました。とはいえ、ロケット打ち上げの描写は鮮烈です。

 宇宙飛行士を描いた作品は「アポロ13」などありますが、本作がユニークなのは、飛び立つロケットを外側から映すのではなく、狭い宇宙船内にいるアームストロングの視点で徹底的に描いているところでしょう。過大な重圧がかかった船内全体がギシギシきしむ中、わずかな窓からのぞく外の様子が大気圏から宇宙へと変わっていく。アームストロングの恐れや不安、期待が伝わり、緊張感に身が縮まりました。

 もちろん、月面着陸の場面もあります。それまでの喧騒(けんそう)から静寂へ。演出・編集の切れ味は抜群です。

 2016年のベネチアでオープニング作品だった「ラ・ラ・ランド」は、エマ・ストーンが女優賞を獲得しました。今回は金獅子賞争いに絡んでくるのか、楽しみです。

38734 0 エンタメ・文化 2018/08/30 12:00:00 2018/08/30 12:00:00 2018/08/30 12:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180830-OYT8I50037-T.jpg?type=thumbnail

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