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    ベネチア国際映画祭2018

    コンペ21作品、大トリは塚本晋也監督の「斬、」

    • 塚本晋也監督「斬、」©SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER 
      塚本晋也監督「斬、」©SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER 

     ベネチア国際映画祭も、いよいよ8日の授賞式で終幕です。コンペティション部門に出品されている塚本晋也監督の「(ざん)、」は、コンペ作品の大トリとして7日、公式上映されます。

     何度も「ベネチア」に参加している塚本監督は、現地での知名度は高いです。ただ今回はこれまでとガラリと変わり、幕末を舞台にした時代劇。人を斬るべきか悩む若武者を、池松壮亮さんが演じます。激しいアクションはありますが、イタリアの観客、審査員たちはどう評価するか。受賞結果は、日本時間の9日午前4時頃に判明する見込みです。

     現地の映画誌の星取表などを参考にすると、序盤に登場したアルフォンソ・キュアロン監督の「Roma」の評判が依然高いですが、コンペには最後まで、興味深い作品が登場しています。

    • 「The Nightingale」
      「The Nightingale」

     終盤、私が心ひかれたのは19世紀のオーストラリアを舞台にした「The Nightingale」です。夫と子供を殺された女性がアボリジニの若者の力を借り、復讐(ふくしゅう)のため、英国人の役人たちを追いかけます。人種差別や女性への暴力など、今に続く問題を取り込んだ骨太の物語。現代に問いかける怒りの強さに、心が震えました。

     恥ずかしながら、ジェニファー・ケント監督の名前を知りませんでした。新しい発見ができるのも、映画祭の大きな魅力です。

     ちなみに、彼女はコンペ21作で唯一の女性監督。カンヌや米アカデミー賞などで女性監督の少なさが指摘される中、居並ぶ巨匠、新鋭をけちらし、ケント監督が賞を獲得できるのか。そんな点も考慮しながら、受賞結果にご注目ください。

    増え続けそう、あの話題作の“感染者”

    • 「カメラを止めるな!」の広告が載った現地の映画誌
      「カメラを止めるな!」の広告が載った現地の映画誌

     最後に一つ、映画祭取材の中で見つけた日本映画に関するこぼれ話をご紹介します。

     星取表の載る映画誌を見ていたら、あれれ、意外な映画の広告を発見しました。日本でヒット中の、あの「カメラを止めるな!」です。1面に出ていたり、ページの半分超のサイズだったり。10月公開のようですが、期待の高さがうかがえます。

     海を越え、「感染者」は増え続けそう。日本映画の新たな側面を知ってもらえるのではないでしょうか。(文化部 大木隆士)

    「斬、」
    11月24日(土)からユーロスペースほか全国公開
    配給:新日本映画社
    ©SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER

    『斬、』公式サイト
    『斬、』特報

    2018年09月07日 14時30分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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