「ドロ刑」「獣に…」脚本の力…秋の連ドラ座談会

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 民放各局の秋ドラマの放送がスタートしました。純愛ものやコメディーなど多彩な話題作がそろう中、初回を見た6人のテレビ担当記者の投票でトップに輝いたのは、4人が★五つをつけ、大絶賛した異色の刑事ドラマでした。

  初回を見る限り、「ドロ刑」は今期1番の面白さでしょう。終盤の二重のどんでん返しにはしびれましたな。原作はマンガですが、キャラのテイストが全然違うのも驚きでしたぞ。

  新米刑事・斑目(中島健人)と伝説の大泥棒・煙鴉けむりがらす(遠藤憲一)の異色コンビによるテンポの良い掛け合いが、リズミカルなジャズの音楽と相まって飽きさせませんでした。

  「コード・ブルー」などを手がけた林宏司の脚本というのも大きいね。現代っ子の刑事役で、ケンティー(中島)のよさも引き出している。「獣になれない私たち」も、「逃げるは恥だが役に立つ」の野木亜紀子の脚本で、やっぱり面白かった。

  基本的に善意の人ばかりなのに、それでも誰かを瀬戸際まで追い詰めることがある。「無為の残酷さ」は、私もよく知っております。

  (石)さんのお言葉、含蓄があります。やるべき仕事が次々と発生し、恋愛にも頭を悩ませる晶(新垣結衣)。言いたいことを言えず周りに気を使いすぎる姿に、同世代として共感しました。

  最年少の(保)さんの言葉は、僕にも染みます。現代社会の問題点を突く作品に共感するのは、働く者の宿命かもしれません。

  悩み多き私ですが、「ハラスメントゲーム」にはスカッとしました! ハラスメントを、ただ悪い悪いと騒ぐのでなく、その背景などをきちんと見極める。モノを申しにくい世の中の問題点を突いた意欲作です。

  働く人を鼓舞する意味では、「下町ロケット」は週末の夜にぴったり。豪華な顔ぶれで演技も熱く、週明けの仕事に向け、英気が養われます。★1も容赦なくつける辛口の(星)さんも★5と絶賛です。

  ドラマチックな音楽と、困難に立ち向かう主人公たちの姿。重厚感に圧倒されたよ。「日曜劇場」らしい作品だよね。

  社会派ドラマが好調です。動物病院の奮闘を描く「僕とシッポと神楽坂」、変わり者の動物学者が主人公の「僕らは奇跡でできている」と、ほのぼのとした動物ものの評価がやや低いのが気になります。みんな忙しいはずですが、癒やされたいと思わないのでしょうか。

  「僕とシッポ」は決して悪くはないんですが……。動物愛、神楽坂、人情と型にはまり過ぎではないですかな。

  うーん、でも私はやっぱり癒やされたいです。東京・神楽坂の情緒ある街並みとかわいい動物の組み合わせには、なごみます。シュンとした犬の名演技にもほろりとさせられました。

  「僕ら」は「ほんわかラブコメ」としても楽しめる、今期のオアシス。脇役が主演に転じたおまけのインターネット動画も本編の伏線?と気になる。

  まだまだ話題作が目白押しです。後半戦も気合を入れていきましょう!

弁護士もの好スタート

視聴率1位だった「リーガルV」。米倉涼子(手前)が資格を剥奪された元弁護士を演じる
視聴率1位だった「リーガルV」。米倉涼子(手前)が資格を剥奪された元弁護士を演じる

  初回の視聴率1位、2位はいずれも弁護士もの。「リーガルV」は米倉涼子、「SUITS」は織田裕二主演で、前評判通りの好スタートでした。

  視聴者を物語に引き込む、米倉の「主演女優力」を再認識しました。「ドクターX」と同様に手堅くまとまっています。

  米倉演じる法曹資格を失った元弁護士が、事務所の「管理人」として裏方に回り、周囲のキャラを立てる。肩が凝らない集団劇として楽しめますぞ。

  「SUITS」は米国のドラマが原作で、華やかな雰囲気が魅力です。織田と鈴木保奈美の久々のコンビには存在感があり、さすがのキャリアです。

  織田のキザな言い回しやボディーランゲージは慣れれば癖になるかも。弁護士事務所の所長を演じる鈴木のキャリアファッションもすてきでした。

  注目は織田・鈴木のコンビだけじゃないよ。特に織田のライバル弁護士役の小手伸也がいい。同じ月9の「コンフィデンスマンJP」で見せたようなコテコテ感を期待したいです。

織田裕二(手前)、鈴木保奈美(奥)の共演で注目を集めていた「SUITS」。米国ドラマが基で、洗練されたセットやファッションも魅力
織田裕二(手前)、鈴木保奈美(奥)の共演で注目を集めていた「SUITS」。米国ドラマが基で、洗練されたセットやファッションも魅力

  恋愛もので視聴率が高かったのは「大恋愛」。格差恋愛はドラマの鉄板だけど、戸田恵梨香演じる尚が、会ったばかりの真司(ムロツヨシ)とこうも簡単に恋に落ちるだろうか。脚本の大石静先生、飛ばすなあ。

  「中学聖日記」も好き嫌いが分かれそうですな。塚原あゆ子演出の映像は美しいし、経験が浅く脇が甘い教師役を有村架純が好演していると思いますが……。

  男子中学生と女性教師の恋愛を、連続ドラマとして見ると苦しくなりそうですが、難しいテーマに切り込んだ点で期待したいです。

  「黄昏(たそがれ)流星群」は、佐々木蔵之介演じる銀行マンが出向を命じられた後、家族に出張と偽りスイスに旅に出かけ、黒木瞳演じる女性と運命の出会いを果たします。大人の恋がテーマですが、銀行マンの妻(中山美穂)にも恋の予感が訪れるなど、初回から展開が早く、驚きました。

  黒木瞳出演、熟年男女の恋物語となれば映画「失楽園」を思い出すよ。確か高校生の頃だった。高校生といえば、ツッパリが主人公のコメディー「今日から俺は!!」は演出・脚本の福田雄一ワールドが全開だね。癖は強いが、自分的にはストライクど真ん中!

  面白さが炸裂(さくれつ)する部分と、ややすべって退屈な部分とが混在しておりますが、賀来賢人、伊藤健太郎ら出演者が歌って踊るオープニングは見る価値ありですぞ。

  「駐在刑事」は東京の奥多摩の駐在所が舞台。地域の人とのほのぼのとしたやりとりを描き、他の刑事ドラマとは違う個性を見せてほしいものです。

  初回は2時間スペシャルと、テレビ東京のドラマへの熱意も感じました。長期シリーズのため座談会の対象外となった、テレビ朝日系「相棒」新シリーズが17・1%と貫禄を見せました。ドラマが面白くなるのはこれから。欠かさずチェックしましょう!

47937 0 エンタメ・文化 2018/10/22 15:00:00 2018/10/22 15:00:00 2018/10/22 15:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181022-OYT8I50003-T.jpg?type=thumbnail

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